2023 Fiscal Year Annual Research Report
技術者の認知バイアスが技術判断に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
22K20175
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
森 良弘 同志社大学, ビジネス研究科, 教授 (00793332)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 認知バイアス / 技術経営 / 技術者 / 研究開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は技術開発プロセスとりわけ技術選択の意思決定における「人」の要素を認知バイアス(先入観や経験に起因した非合理的な思考の偏り)の視点から解明することを目指すものである。具体的には半導体プロセス技術を事例としてとりあげ、文献調査と技術者インタビューから認知バイアスの影響を明らかにすることを試みた。 2023年度は前年度に続きまずインタビューおよび文献調査を行った。インタビューは半導体業界の技術者が対象で総数は5名(うち1名は外国人)となった。文献調査は過去の業界誌ならびに企業2社の公表データを中心に補強を行い、前記インタビュー時の質問項目作成に生かした。なおインタビュー対象者選定にあたっては当該技術分野の学会での人脈探索が必要なことから、応用物理学会ならびに界面ナノ電子化学研究会の学術講演会等に参加した。この活動によりインタビュー対象者を新たに2名確保することができた。 インタビューおよびその分析のタイミング的にすべての調査結果を本研究期間内にまとめて報告することはできなかったが、途中経過をまとめた論文が2023年9月にAustriaのLinzで開催された"24th Continuous Innovation Network (CINet) Conference"に採択され、口頭で学術報告を行った。報告タイトルは"Impact of Cognitive Biases in Technological Decision-Making"である。 なお学術面と直接は関係しないものの、技術者の認知バイアスは企業の技術開発部門の興味を引くテーマであることから企業からの問い合わせがあり、本テーマを含む企業向けセミナーを延べ6回開催した。
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