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2022 Fiscal Year Research-status Report

台湾の長期社会変動と新旧まちづくり(社区営造)の相互作用に関する社会学的研究

Research Project

Project/Area Number 22K20180
Research InstitutionIbaraki University

Principal Investigator

星 純子  茨城大学, 人文社会科学部, 准教授 (40598645)

Project Period (FY) 2022-08-31 – 2024-03-31
Keywords台湾 / 社区営造 / まちづくり / 地方創生 / ライフコース / 新自由主義 / 地域社会 / 家族
Outline of Annual Research Achievements

当該年度は1回の海外渡航、文献やインターネット資料をもとに調査を行った結果、1本の論文を刊行できた。その内容は、ライフコース論を手掛かりに台湾の社区営造(まちづくり)を論じるもので、高雄市美濃区の龍肚小学校の20年来の食農教育を題材とした。
論文の内容は以下のとおりである。20年前、ダム建設反対運動がひと段落したばかりの美濃は社区営造もまだ萌芽期にあり、今後の方向を模索しているところであった。ちょうどそのころに大学を卒業してキャリアのかけだし期に当たった人たちは、農村の伝統文化や価値観をリノベーションや調査などの形で表象する社区営造の価値観に大きく影響を受け、それにかかわることをライフワークとしていった。社区営造の価値観の中には家族の価値観も含まれているが、社区営造関係者は農村のかっこ付きの「伝統」的価値観を尊重しながらも、実際に発生する家族との衝突を巧みに避けたり、結婚しなかったりと家族の価値観を換骨脱胎しながら社区営造に従事していった。
本論文の意義は、長期的な観点で社区営造を分析したことである。1965-1975前後の出生コーホートは、キャリアの開始期に美濃ダム建設反対運動や社区営造の発展期を経験した。この経験は政府補助金を使った社区営造に台湾全土で集団的に取り組むことを可能にした。これらの世代は学校でも社区営造を実施していき、若い世代を育てつつある。今後はその経験が若い世代にどのように伝わったのか、そして実際には若い世代はどのような社区営造を行っているのかを、フィールドワークもまじえて検証したい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

まずは一本の論文を出せたため、おおむね順調に進んでいるといえる。2022年度は相変わらずコロナ禍で海外渡航がかなり難しく、また個人的に育休から実質上復帰した年度でもあり、小さい子どもを抱えながらの研究は困難を極めた。しかし、まずは台湾の社区営造(まちづくり)の旧世代ともいうべき人々について初歩的な研究成果を出したのは、今後の研究の進展に大きな基礎となると思われる。

Strategy for Future Research Activity

申請者は今年4月から来年3月末まで台湾に滞在中である。すでにフィールドとなる美濃に拠点を築いており、子育て世代が多く集まる小学校や社区営造団体(まちづくり団体)を中心に文献収集やフィールドワークを進めている。現在、今まであまり接触がなかった若い世代の関係者にも接触中であり、上の世代との比較や関係性を調査している。

Causes of Carryover

コロナ禍で海外出張が1回しかできなかったため残額が生じた。次年度は海外の長期滞在調査のための旅費に使用する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2023 2022

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 台湾の社区営造(まちづくり)の長期化とライフコースの変遷:『米倉的孩子』(米どころの子ども)を題材に2023

    • Author(s)
      星純子
    • Journal Title

      ENSG

      Volume: 6 Pages: 7-22

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 台湾の社区営造(まちづくり)はどのように語られたか:ライフコース論を手掛かりとしたドキュメンタリー「米倉的孩子」(米どころの子ども)の分析2022

    • Author(s)
      星純子
    • Organizer
      エスニック・マイノリティ研究会
    • Invited
  • [Book] 環境社会学事典2023

    • Author(s)
      浜本篤史、友澤悠季、ほか約80名
    • Total Pages
      742
    • Publisher
      丸善
    • ISBN
      978-4-621-30754-0

URL: 

Published: 2023-12-25  

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