2022 Fiscal Year Research-status Report
Does social media influence voters? : A quantitative empirical study of the Osaka prefectural gubernatorial election
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22K20186
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Research Institution | Kanda University of International Studies |
Principal Investigator |
谷原 吏 神田外語大学, 外国語学部, 講師 (50962809)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | Twitter / 政治コミュニケーション / 選挙 |
Outline of Annual Research Achievements |
メディアの技術的進歩や社会状況の変化によって政治コミュニケーションの在り様は変化の途上にある。特に選挙期間中、多くの候補者がソーシャルメディアを用いたキャンペーンを行い、有権者もソーシャルメディアで自身の政治的態度をつぶやく。そうした中で、ソーシャルメディアは世論を反映していないという実証研究もある。ソーシャルメディアにはどのようなバイアスが存在し、そのバイアスを構成する情報発信者にはどのような特徴があるのか。本研究はこうしたことを問うものである。 2022年度は、予備調査として、全国3000サンプルを対象として、Twitter上に政治的な投稿を行ったユーザーの特徴を明らかにした。その特徴として、投票率が高く、高学歴で年収が高く、都市部在住、政治的知識が豊かで政治的有効性感覚も高い等のことが明らかになっている。また、沈黙のらせん理論によりツイート行動を説明できそうな兆しも見えている。加えて、2023年3月以降は、大阪府知事選挙の候補者に言及したツイートの収集・分析を始めている。この調査からは、現職知事候補に対しては批判的な意見が集中している等のことが明らかになっている。今後の計画としては、大阪府知事選挙後に大阪府民を対象とした調査を行い、選挙期間中にオンラインで政治的発言を行った者の特徴を明らかにする。 本研究は、伝統的な政治参加論の知見を参照しながら、ソーシャルメディアという新たな文脈でそれを検証することにより、政治参加論の知見をアップデートしていくものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予備調査による論点の発見及び、必要なツイートデータの収集は順調に進んでいる。大阪府知事選挙後に実施するサーベイ調査の質問票作成も完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
大阪府知事選挙の候補者に言及したツイートを、選挙の投開票日前日分まで全て収集し、計算社会科学的方法により分析を行う。加えて、大阪府知事選挙投開票日の直後に、大阪府民3000サンプルを対象としたサーベイ調査を行う。この調査により、政治的なツイートをするユーザーの特徴を明らかにし、政治的ツイート行動を説明する理論構築を行う。
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Causes of Carryover |
2023年度に、当初予定した調査に加え、もう一件追加で調査を行う必要が生じた。ソーシャルメディアを介した政治コミュニケーションの在り様を明らかにするにあたり、人々とソーシャルメディアの関わりの在り様そのものを調査する必要が生じたためである。そのため、2022年度に実施した調査の費用を当初計画より安価に抑え、追加調査分の予算を確保した。
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Research Products
(8 results)