2023 Fiscal Year Annual Research Report
Does social media influence voters? : A quantitative empirical study of the Osaka prefectural gubernatorial election
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22K20186
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Research Institution | Kanda University of International Studies |
Principal Investigator |
谷原 吏 神田外語大学, 外国語学部, 講師 (50962809)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | SNS / 政治コミュニケーション / 選挙 / 世論 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年4月に実施された大阪府知事選挙に際して、X(当時Twitter)のログデータの収集・分析及び、社会調査データ(3000サンプル)の収集・分析を行った。ログデータに関しては、吉村候補及びたつみ候補に言及したポストを網羅的に収集し、教師あり学習により態度の分類を行った。その結果、吉村候補に関しては62.1%が批判的なポストだった。それに対して、たつみ候補に関しては87.8%が肯定的なポストであった。この結果は選挙結果と乖離する。 社会調査データに関しては、既存の政治参加理論の蓄積を用いて、選挙期間中に政治的なポストを行う人の特徴を明らかにした。その結果、「正社員であれば投稿をする確率が高くなる」、「Xの利用時間が長くなれば投稿をする確率が高くなる」、「政治関心が高くなるほど、選挙関連の投稿をする確率が高くなる」、「投票に行っている人ほど、選挙関連の投稿をする確率が高くなる」、「X上に同様の意見を持った仲間がいるほど、選挙関連の投稿をする確率が高くなる」等の傾向が明らかになった。特に「X上に同様の意見を持った仲間がいるほど、選挙関連の投稿をする確率が高くなる」という傾向は、沈黙のらせん理論(Noelle-Neumann, 1974)の観点から説明することが可能であり、同時に、ソーシャルメディア時代においては同理論を拡張することが可能である可能性を示した。
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