2023 Fiscal Year Research-status Report
山高しげりと全国未亡人団体協議会及び関連団体による母子福祉活動に関する研究
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22K20205
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Research Institution | Osaka Seikei University |
Principal Investigator |
今井 涼 大阪成蹊大学, 教育学部, 講師 (60964517)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 山高しげり / 女性運動 / 母子福祉 / 全国未亡人団体協議会 / 全国地域婦人団体連絡協議会 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の研究実績は以下のとおりである。
・山高しげりのあゆみ(特に前半生)の概要を整理した。その成果を研究ノート「山高しげりの足跡」として大阪大学紀要に投稿した(大阪大学紀要第10号pp.109-117)。特に山高の青年期の葛藤(学業、家督の継承、進路選択、結婚問題等)について、一定の総括を行うことができた。 ・山高しげりが指導者を務めていた全国未亡人団体協議会発行の『昭和三十八年十月 全国母子福祉研究集会資料』と『昭和40年度全国未亡人団体協議会―母子家庭指導者研修会資料―』に関して検討を行い、その成果を日本社会福祉学会にて「全国未亡人団体協議会の実態について-全国未亡人団体調査の検討-」として報告発表を実施した。この研究によって、母子福祉法制定前後の全国未亡人団体協議会の加盟団体が、新規会員の獲得等について組織的な課題を抱えていたことを資料から明らかにした。 ・山高しげりが指導者を務めていた全国地域婦人団体連絡協議会の活動の一環として、山高の思想を解明するために沖縄返還運動に着目し、沖縄における山高の活動をたどるため沖縄への調査研究旅行を実施した。現地では各機関・各施設に協力していただき、沖縄の抱える課題を学ぶと共に、山高及び全国地域婦人団体連絡協議会が沖縄を訪問した際の記録や、沖縄婦人連合会等(全国地域婦人団体連合会の加盟団体の一つ)に関連する資料(団体史書籍、会報誌等)の収集を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記のとおり研究をすすめているが、研究の意義を深めるため当初設定したものよりも視野を広げて研究を行っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
①山高しげり及び全国地域婦人団体連絡協議会の沖縄返還運動については、2024年5月の社会事業史学会で報告済みである。この成果を踏まえ、全国地域婦人団体連絡協議会での活動を分析、総括、整理する。 ②山高しげりの戦前の婦選獲得同盟における婦人参政権運動と母子福祉に関する運動について分析する。 ③②を踏まえ、戦後の全国未亡人団体協議会における母子福祉運動との思想、運動方法との連続性を検討、分析し、評価につなげる。
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Causes of Carryover |
山高しげりの運動が多岐にわたっており、資料の収集及び分析に想定以上の費用と時間を要したため、予算の配分含めて見直しが必要となった。
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Research Products
(2 results)