2022 Fiscal Year Research-status Report
現代中国の人材開発ローカルシステム化における三者協働がもたらす地方高等教育の変容
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22K20210
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
曹 蕾 東北大学, 教育学研究科, 助教 (50964532)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 地方民営高等教育 / 三者協働 / 人材開発ローカルシステム化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、現代中国で展開されている、地方産業技術人材の育成に関する新人材開発戦略 において、地方政府、地方企業、地方高等教育機関の三者が協働して醸成する高等教育人材 創出の変化によって起こる地方経済・社会の変容のあり方、といった「人材開発のローカル システム化(Local-Systematization of human resource development)」の意味を考察することである。こうした目的のもと、本研究は①地方政府、企業、高等教育機関三者の人材開発に係る協働が形成される過程と現状、その 特性を明らかにし、②三者協働のもとで地方高等教育人材の質がいかに変化してきているか、 ③それら人材の質の変化が招来する地方経済・社会の変容という3点から研究を進める計画である。 研究の第一段階である令和4年度は、準備段階として、高等教育における人材開発のローカル システム化に関する先行研究をレビューし、9月にオンラインによる国内研究打ち合わせを実施し、研究の分析枠組みを検討、設定した。そして、10月以降、各調査地の現地協力者の協力を得ながら、上 述研究問題①-③について、三者協働における地方人材開発のあり方を規定する政府文書や新聞記事、雑誌論文を 手がかりとし現地文献を収集した。その後、三者協働に携わった地方政府の職員、企業の社員、高等教育機関の教員ないし職員を対象とし、各セクターの関与と対応についてパイロット・インタビュー調査(オンライン)を実施した。こちらのデータは、初年度であるため、三者協働がもたらす地方高等教育の変容に関する地域研究を試み、次年度以降行う予定の地域間比較研究の基礎を構築していくこととしている。調査後、1回目の調査結果を集約、 国内外の教育系学会で発表を行い、フィードバックを受けた。これらの研究業績は、今後の論文あるいは書籍出版の基礎となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の令和4年度は、主として研究の分析枠組みの設定、全体的な考察を行うための資料・素材の収集、オンラインにて予備調査の実施およびアンケート、インタビュー調査票の修正をねらいとしたため、研究実績の概要において記載した1年目の実績はほぼ所期の研究計画を達成していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画2年度目は、各調査地の三者協働および高等教育人材創出の変化に関する情報を収集し、新たな地方人材開発のローカルシステム化のあり方などの情報を総合し、フィールドワークを実施していく。
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Causes of Carryover |
海外フィールドワークとデータ分析を年度中に行わなかったため、その際の旅費や物品費、人件費を繰り越している。 今年度、昨年度中に行わなかった海外フィールドワークとデータ入力を行う予定としており、その際の旅費や物品費、謝金として執行予定である。
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