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2023 Fiscal Year Research-status Report

自閉スペクトラム症児の語用能力発達及び語用障害-内在化障害関連の性差の検討

Research Project

Project/Area Number 22K20213
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

水谷 柳子  金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 博士研究員 (90963588)

Project Period (FY) 2022-08-31 – 2025-03-31
Keywords自閉症 / 語用障害 / 内在化障害 / 性差
Outline of Annual Research Achievements

4歳から15歳の自閉スペクトラム症児134名(女児26名/男児108名)を対象に語用能力発達に性差はどの程度存在するか、語用能力の障害と内在化・外在化障害との関連に性差がみられるかについて検討を行った。〈1〉ASD児の語用能力発達及び、不得意な語用下位領域について性差の検討〈2〉語用能力と問題行動・不安との関連性に性差による差異はあるかの検討。
子どもの語用能力調査には語用能力直接評価法「ことばのつかいかたテスト;TOPJC」を用い子ども本人に回答を求め、子どもの不安や内在化・外在化問題行動の評価については児の家庭での様子をよく知る養育者に「子どもの行動チェックリスト;CBCL」への回答を求めた。
〈1〉語用能力発達の性差について、TOPJC総正答数と年齢を用いて非線形混合効果モデルにより男女別に成長曲線の検討を行った。F検定の結果、両群に有意な差は認められなかった。しかし実験中女児は男児よりも比較的回答時間が短くスムーズに課題遂行する様子であった。これまではTOPJC総正答数の比較という量的な検討を行ってきたが、今後は回答時間測定や視線計測といった回答への質を考慮に入れた検討を行う必要があると考える。〈2〉子どもの不安や内在化・外在化問題行動と語用能力との関連について、先行研究の知見をもとに男女とも10歳以上の児(女児15名/男児49名)を対象に検討を行った。TOPJC総正答数と下位領域得点及びCBCLの各ドメインの点数を用いて相関分析を行った。男児は語用能力が低いと外在化問題行動の点数が上がる傾向が見られた。女児は男児とは傾向が違い、有意ではないものの比喩の理解能力が社会性の問題と関連している可能性が見えた。今回男児に比較して女児のサンプルサイズが小さいため明確な結果ではなかったが、今後女児のサンプル数を増やし詳細に検討を行う必要があると考える。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

理由として2点挙げられる。
1点目は、2023年12月までにデータ取得が完了し、引き続いてデータの解析に着手していることが挙げられる。その結果からASDの女児が持つ語用障害と不適応行動の関連が、男児とは違う傾向を持つ可能性が浮かび上がり、今後の支援への提言に繋げることが可能となった。
2点目として、2024年5月の国際会議、6月の国内学会にそれぞれ発表予定(アプセプト済)であり、当初予定より幾らかは後ろ倒しにはなったものの概ね目標は達成されたと考える。

Strategy for Future Research Activity

今年度可能な限り女児のリクルートを行い、データの積み増しを図る。
国内外学会(学術会議)で積極的にディスカッションを行い、その結果を反映させながら論文執筆に進み、国際誌への投稿を目指す。

Causes of Carryover

本研究結果を発表するため、すでに国際会議1件・国内学会1件での発表を予定しアクセプトされており、この参加のために参加費及び旅費として本予算を使用する。
また女児の被験者の積み増しを予定しており、予定額の一部を被験者謝礼として用いたい。

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Published: 2024-12-25  

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