2022 Fiscal Year Research-status Report
Developing Effective Instructional Methods for Control Variable Strategies According to the Individual Characteristics of Science Learners
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22K20215
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中村 大輝 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 特任学術研究員 (90839094)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 科学的思考力 / 条件制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
理科教育において条件制御能力の育成は重要かつ困難な目標の1つであり、これまで多くの研究が蓄積されてきた。研究の蓄積を通して、平均的に効果の高い指導法が明らかにされてきた一方で、どのような特性の学習者にどのような指導法が有効かという交互作用は検討されてこなかった。また、先行研究の多くが欧米で行われており、東アジアで同様の知見が得られるかの再現性はほとんど検討されていない。加えて、欧米で行われた研究においても条件制御能力の測定方法が確立されておらず、研究間で指導の効果の厳密な比較ができないという課題が残されていた。このような状況を踏まえ、本研究では①研究間で比較可能な条件制御能力の測定方法を開発した上で、②条件制御の指導介入と効果検証を行うことを予定している。このうち、本年度は①の測定方法の開発に取り組んだ。具体的には、欧米の先行研究で開発された条件制御能力の調査項目(e.g., Gegos & DeBoer, 2007)の翻訳と、新規作成項目を併せて約40項目の調査項目を作成を行った。項目の具体例としては、農作物の成長に影響する要因を調べる実験計画を立てさせる課題などがあった。学習者の立てた実験計画において条件が適切に制御されているかを見ることで、条件制御能力を測定することができると考えられる。本年度の研究成果の一部は日本理科教育学会をはじめとするいくつかの学会発表を通しての公表を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査項目の収集や翻訳の作業を丁寧に進めた分、想定以上の時間がかかっている。次年度の早い段階で開発した調査項目を用いた調査を行うことで、遅れを取り戻す予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は作成した調査項目を用いた調査と分析を行い、学習者の実態や課題を検討する。具体的には、オンラインモニターを利用した調査を行い、項目反応理論に基づく分析を行う。それぞれの項目の特性を明らかにした上で、学習者の実態や課題についても検討する。また、調査を通して明らかになった課題を踏まえ、新たな指導方法の検討と効果検証に取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
調査項目の作成遅れに伴い、オンライン調査が次年度に延期されたため、調査にかかる費用を次年度に繰り越した。
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