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2022 Fiscal Year Research-status Report

英語の読み書きに困難を示す児童生徒の早期発見・早期支援プログラムの開発

Research Project

Project/Area Number 22K20222
Research InstitutionKitasato University

Principal Investigator

上岡 清乃  北里大学, 医療衛生学部, 助教 (70967801)

Project Period (FY) 2022-08-31 – 2024-03-31
Keywordsディスレクシア / 読み書き障害 / スクリーニング検査 / 英語学習 / EFL Learner
Outline of Annual Research Achievements

英語の読みや書きに困難さを示す児童生徒を的確に発見するためのスクリーニング検査の作成にあたっては、日本人学習者が英語の読み書きに際して言語情報処理のどのようなプロセスを辿り、どこでつまずいているのかを明らかにする必要がある。本研究では、認知神経心理学的モデル(Kay, Lesser & Coltheart, 1996)に依拠し、読み書きに関する文字情報処理能力の評価に重点を置いた。
研究初年度は、作成した英語の読み書きスクリーニング検査の精度を検証し、適切なカットオフ値を設定することを目的として、学校教員への聞き取り調査の結果を分析した。調査では、スクリーニング検査を実施した児童生徒について、授業場面における英語学習の苦手さの有無を聴取した。聞き取り調査の対象データは、小学校5・6年生児童111名および中学校1~3年生生徒156名分であった。スクリーニング検査の作成に際して、カットオフ値候補としていくつかの標準偏差(-1SD、-1.5SD、-2SD)ならびにパーセンタイル値(15%tile、10%tile、7%tile、5%tile)を設定した。
学年間において得点の有意差が認められたため、カットオフ値候補は学年別に設けることとした。スクリーニング検査の結果を検定変数、教員への聞き取り調査の結果を状態変数として、受信者動作特性(Receiver Operating Characteristic; ROC)分析を行ったところ、最も高いAUC値を示したのは-1.5SDを基準としたカットオフ値(AUC=0.865)であった。なお、感度は77%、特異度は99%、陽性的中率は95.9%であった。
スクリーニング検査の結果と教員への聞き取り調査の結果は概ね一致しており、本スクリーニング検査の活用によって、英語の読み書きに困難さを示す児童生徒を的確に発見し得ると考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

これまでに高知県や岩手県で小学5年生~中学3年生までの児童生徒1,218名分のデータを収集している。学校教員への聞き取り調査ならびにその結果の分析は当初の予定通り進展し、分析結果より本スクリーニング検査のカットオフ値も算出された。また、研究協力者らとの協議も予定通り進行している。

Strategy for Future Research Activity

読みや書きの能力に影響する障害には、様々な認知的要因が関与しており、その状態像は多様である。英語の読み書きに困難さを示す状態像とその正しい理解と指導には、日本語と英語の言語記号体系の違いを踏まえた上で、一人ひとりの認知的背景を適切に評価することの重要性が示唆される。
2023年度は、実際に英語の読みや書きに困難さを示している児童生徒の実態調査を行う。北海道札幌市の児童精神科に協力を依頼し、学習障害や発達性ディスレクシアの診断を受けた群を対象に本スクリーニング検査を行い、英語学習に困難を示す児童生徒を確実に見落としなく抽出できているか、本検査の有効性を検討する。さらに、個々の英語学習状況や学業成績、日本語の読み書き検査の結果、知能検査の結果などについても情報を収集し、それらの情報の統合によって英語学習における困難さの認知的背景を明らかにする。

Causes of Carryover

新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、学校施設等への入構ならびに研究機関への研究参加者の入構が制限されていたため、学校訪問等の予定に一部変更が生じ、当初の予定よりも支出額が少なかった。2022年度に使用する予定であった予算は、2023年度に繰り越して使用する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Development of a Screening Test for the Early Identification of Japanese Children with Difficulties Learning English: A Preliminary Study2022

    • Author(s)
      Kamioka Sayano、Ishizaka Ikuyo、Suzuki Keita、Hara Yuki、Hata Wakana、Mizuto Yoko
    • Journal Title

      Progress in Rehabilitation Medicine

      Volume: 7 Pages: -

    • DOI

      10.2490/prm.20220038

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 英語の読み書きに困難さを示す児童生徒の早期発見を目的としたスクリーニング検査の有効性の検討―教員の気付きとの比較検討―2022

    • Author(s)
      上岡清乃,鈴木恵太,石坂郁代
    • Organizer
      日本LD学会第31回大会
  • [Presentation] 英語の読み書きに困難さを示す児童生徒の早期発見を目的としたスクリーニング検査の有効性の検討2022

    • Author(s)
      上岡清乃,鈴木恵太,石坂郁代
    • Organizer
      第48回日本コミュニケーション障害学会学術講演会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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