2022 Fiscal Year Research-status Report
Neuroethics Education Package Based on Responsible Research and Innovation
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22K20228
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Research Institution | Tokyo Online University |
Principal Investigator |
福士 珠美 東京通信大学, 人間福祉学部, 教授 (40713615)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 責任ある研究とイノベーション / 脳神経倫理 / 科学教育 / 技術倫理 / 生命倫理 / 専門職倫理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「責任ある研究とイノベーション」の観点から、日本における脳神経倫理関連知識の体系化を試み、脳科学技術の実社会への適用、普及を見据え、脳科学技術を開発、提供する専門職集団および専門職を志す高等教育課程に特化した倫理教育パッケージを提案することを目的としている。 2022年度は研究計画に沿って、日本および海外における脳神経倫理関連学術文献の網羅的探索、収集を行った。また、日本国内の国公立大学・大学院に加え、私立大学・大学院のうち、脳科学研究の学術論文の公表件数の上位校と大学院脳科学研究科を有する研究大学等の公開シラバスを調査した他、各国政府機関、民間調査機関、および国際機関が発行した脳神経倫理関連報告書を収集し、政策提言内容や掲載専門用語の定義に関する調査を行った。さらに、専門職倫理に関する啓発活動、コンテンツ作成に取り組んでいる国際団体IEEE のBRAIN Neuroethics Frameworkのワーキンググループ活動への参加、憲法学に関する国際会議Global Summit on Constitutionalismの神経法学関連セッションにおける発表等を通して国際動向に関する情報収集を行った。 また、日本国内において脳神経科学、脳科学、生命倫理、技術者倫理、科学哲学、科学技術社会論などを専攻する大学・大学院生、および研究教育従事者と関連産業に従事する専門職を対象とした「日本の大学・大学院における神経科学(脳科学)研究の倫理教育に関する調査」(オンラインアンケート)を実施した。 これらの成果について、上記国際会議の他、国内学術集会において研究発表を行った他、2023年度開催の国内学会シンポジウム、国際学会口頭発表演題として採択された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた通り、国内外の関連文献の網羅的探索、収集、日本国内の大学・大学院における公開シラバス調査、またオンラインアンケート調査を実施し、次年度予定している詳細分析、教育パッケージ案構築に向けた要素材料の取得が順調に進んでいる。 また国内外の学術集会等における発表や情報収集の機会を得ていることからも、本研究が計画に沿って進捗していると言える。ただし、海外の大学・大学院の脳神経倫理教育の公開シラバスに関する調査を補足する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、これまでに収集した文献について、「責任ある研究とイノベーション」の観点による文献情報の精査、知見の整頓、類型化(収集された文献情報のテキスト分析等を元に提案者が考案する)を行う。また、海外の大学・大学院の脳神経倫理教育の公開シラバスに関する調査を行い、日本国内の調査結果と比較分析を実施する。 これらの結果に基づいて、脳科学技術の開発や提供に関わる専門職集団とそれを志す高等教育課程の人材を対象とした倫理教育パッケージ案の作成を行い、それらの成果について、原著論文を執筆、投稿を目指す。 文献情報の分析に関しては、テキスト分析ツールサービスを導入する予定である。また、シラバス、教材案等の作成のために有識者インタビュー(半構造化面接)を行い、プレリミナリーな成果について国内外において学会発表を行い、脳科学、脳神経倫理の専門家との意見交換を通して成果取りまとめおよび論文執筆につなげていく。
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Causes of Carryover |
当初計画していた国際学会出張(カナダ・モントリオール)について、体調不良のため現地への出張を見合わせオンライン参加に変更したため、旅費として計上した額が次年度使用額となった。また、文献購入について、2022年度は和文学術論文および海外の調査報告書、政策提言報告書の探索、収集が主体となり、想定よりも多くの文献がオープンアクセスであったため、文献購入費が計画より少額となった。これらは2023年度における国際学会参加、海外の学術文献購入等によって使用する計画である。
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Remarks |
アウトリーチ活動(取材協力):毎日新聞ウェブ版 『連載 拡張する脳』イーロン・マスク氏が注目 「ブレーンテック市場」とは 社会貢献活動:一般社団法人 情報処理学会 情報規格調査会JTC 1サブグループ対応小委員会 中立委員
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Research Products
(2 results)