2022 Fiscal Year Research-status Report
論争問題学習における生徒の議論を促す教師の指導法に関する研究
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22K20250
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
岩崎 圭祐 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 助教 (20962921)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 論争問題学習 / 議論 / ソクラテス・セミナー / 教育評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、社会的な論争問題を議論する学習法(以下「論争問題学習」)において、生徒の議論を促すために教師が取りうる実践可能で効果的な指導法を解明することである。そのために、具体的には次の3点の手続きをとる。 研究1:日米の論争問題学習における生徒の議論を促す教師の指導法について分析を行い、分析をもとに、「論争問題学習における議論を促す指導法ガイドブック」(以下ガイドブック)を作成する。 研究2:中学校社会科の学校現場において、「ガイドブック」を活用した授業実践を行うことにより、生徒の議論や思考にどのような変容があったのか明らかにする。 研究3:研究協力者へのインタビューや授業観察により、「ガイドブック」の使用前後において、教師の授業観や指導法にどのような変容が見られたか明らかにする。 研究期間の初年度である本年度は、「研究1」に対して、米国の論争問題学習研究の成果を分析し、その主要な学習アプローチとなっている「ソクラテス・セミナー」に注目し、その授業構成原理を明らかにした。その後、次年度の研究2・3に向けての予備調査として、公立中学校教員の協力を得て、「ソクラテス・セミナー」を中学校社会科公民的分野で複数回実践し、その意義や実践上の課題について簡潔なフィードバックを得た。また、議論学習における教育評価にも着目し、米国の研究成果を参考に「議論スキルを高めるための自己評価シート」を作成し、中学校現場での使用を試みた。 次年度は、本年度の研究成果を活用した「ガイドブック」をもとに、公立中学校教諭に協力を依頼し、「ソクラテス・セミナー」の活用を継続的に進め、研究2、研究3の解明に努める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、日米の論争問題学習における生徒の議論を促す教師の指導法について分析を行い、ソクラテス・セミナーに基づく授業実践や議論の評価に関する研究を進めることができた。しかしながら、それらの成果をまとめ、教師が包括的に参考にできるような「論争問題学習における議論を促す指導法ガイドブック」の試行版の作成には至っていない。次年度の前半に、施行版のガイドブック作成を行う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究の進捗状況を踏まえて次の研究を行う。①初年度の研究成果を踏まえ、「論争問題学習における議論を促す指導法ガイドブック(試行版)」を作成する。②「ガイドブック」を活用した授業実践を行うことにより、生徒の議論や思考にどのような変容があったのかについて公立中学校社会科教師の協力を得て授業を実施し、明らかにする。③研究協力者へのインタビューや授業観察により、「ガイドブック」の使用前後において、教師の授業観や指導法にどのような変容が見られたか明らかにする。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由としては、新型コロナウイルス感染予防対策により、オンライン開催となる学会が多かったこと、学校現場での調査研究が難航したことが挙げられる。翌年度は、対面での学会発表が増えることや、継続的に学校での調査活動を行うことができることから、旅費が予定よりも増加することが考えられる。次年度使用額は増加した分の旅費として計上する予定である。
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