2022 Fiscal Year Research-status Report
国際的な大学間ネットワークに基づく高等教育開発のメカニズムに関する研究
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22K20253
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
梅宮 直樹 上智大学, グローバル教育センター, 教授 (80963652)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 高等教育 / 大学間ネットワーク / 東南アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究が研究対象とするアジアの代表的な大学間ネットワークの1つであるアセアン工学系高等教育ネットワーク(AUN/SEED-Net)に関して、ネットワークが立ち上がった2001年から20年間にわたってどのようにネットワークが構築されてきたかのプロセスならびにネットワークを通じた連携活動がどのような成果を生み出したかをまとめた書籍(共著)を発刊した。アジア地域の高等教育セクターは、これまで世界の高等教育システムのなかで「周辺」に位置づけられてきたが、近年質量ともに目覚ましい発展を遂げている。また、大学間の国際的な競争が激化する一方で、国境を越えた大学間での連携・協力が進んでいる。その際、アジア地域は政治、経済、文化、学術水準の面で多様な国と大学で構成されており、より均一的な地域で行われる欧州におけるリージョナル化や大学間連携とは異なる環境で連携が進められている。各国にとって大学の教育研究能力の強化は喫緊の課題であり、日本を含む各国は国際的な大学間の連携・協力を推進し自国大学の強化を図っている中、本書は、そのための主な手段の1つである大学間ネットワークを基礎とした連携・協力がどのように構築され発展し、各大学の教育・研究能力の向上にどのようなインパクトを生み出しているかについて検証している。これにより、各地域における大学間連携にかかる研究や世界中の国々や大学が進める国際化やそれによる教育・研究能力の強化のために役立つ知見を提供することを試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に基づいて関連文献のレビューとタイ及びカンボジアにおける調査を実施した。また、これまでの研究成果も踏まえ、アジアの代表的な大学間ネットワークの1つであるアセアン工学系高等教育ネットワーク(AUN/SEED-Net)に関して、ネットワーク構築のプロセスと成果、関係大学の教育・研究水準の向上にどのようなインパクトを生み出しているかを検証しまとめた書籍(共著)を発刊した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに実施したタイ及びカンボジアにおける調査で得られたデータの分析を進め結果を取りまとめ学会発表等を行っていく。同時に、東南アジアのその他の国も含め調査を行い、アジアの高等教育の現状と課題や大学間連携・協力がどのように機能し関係大学の教育・研究水準の向上にどのようなインパクトを生み出しているかの検証をさらに進めていく。
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Causes of Carryover |
当初計画していた調査・研究活動の一部を次年度に実施することとしたため次年度使用額が発生した。当該調査・研究活動を行うために使用する。
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Research Products
(1 results)