2022 Fiscal Year Research-status Report
バフチン的対話主義的教育論に基づく教師の省察を促進する教師間対話モデルの開発
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22K20268
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Research Institution | Shokei Junior College |
Principal Investigator |
佐竹 貴明 尚絅大学短期大学部, その他部局等, 助教 (00966525)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 対話主義的教育論 / 教師の省察 / バフチン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、バフチンの対話主義に基づく対話主義的教育論の考えを用いて教師間で組織する対話による教師の省察の質的変容や深化過程を明らかにし、省察を促進する対話モデルを開発することを目的としている。そこで、本年度は、対話主義的教育論の視点から教師間の対話と精察についての新たな理論的視点を導出するために、文献調査を行なった。 まず、本年度はバフチンの対話論について概観した。この論の核は、2点ある。1点目は、複数の声や意識が、それぞれの自立性、独立性を保ちながら、絡み合うことにより、単一の声や意識に収斂、一体化することはないということである。2点目は。作者は登場人物たちを客体化していない、すなわち操作の対象としていないということである。これらをまとめると、ポリフォニー小説においては、登場人物同士、あるいは作者と登場人物が、「複数の意識を持った対等な意識」が「自らの非融合状態を保ちながら」対話を行なっていることが対話的であるということの前提となる。 これらのバフチンの論考から、対話主義的教育論に基づく対話の中で教師たちは、それぞれの授業観が、理想とされる単一の授業観に収斂されていくのではなく、他者の授業観に触れることにより、各々の授業観を自身なりの方向性で深めているということが明らかになった。その際に、<初心者ー熟達者>と言った従来の教師教育研究の中で用いられる枠組みを超え、それぞれがユニークな理解を持った個人であると捉えて事例を分析していく必要があるということが明らかになった。 次年度は、このバフチンの知見を生かし、本年度調査した研究会の模擬授業や実践検討会の場面を分析していくことにより、教師の省察の深化過程を明らかにしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実施計画において本年度は、理論研究に重点的に取り組み、実証研究で必要な枠組みの整理を行うとしていた。研究実績の中にあるように、本年度は、バフチンの対話論に基づく対話主義的教育論の先行研究整理を行い、その中から教師の省察を分析していく際の視点を導出することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
実施計画にも挙げているように、本年度行った理論研究をもとに、次年度は実証研究を行なっていく。データの取得は概ね完了しているので、それをもとに実証研究を進めていく。実証研究を進めていく中で足りないデータ等は適宜補充していく。それをもとに、学会発表等を通して、研究成果を報告していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス等の影響もあり、計画していた調査が数件中止になってしまった。令和5年度は、中止された調査の補充調査を行う予定であるので、差額はその調査に用いる。
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