2023 Fiscal Year Annual Research Report
反転授業実践初心者が抱える困難とその支援の理論的・実証的研究
Project/Area Number |
22K20283
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
澁川 幸加 中央大学, 文学部, 特任助教 (80963024)
|
Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
|
Keywords | 反転授業 / 授業設計 / 教育工学 / インストラクショナルデザイン / 教員支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、反転授業実践初心者が反転授業設計・実践で抱える困難とその支援方法を理論的・実証的に明らかにすることである。 本研究ではまず、反転授業設計の独自性を整理する理論研究を進めることに取り組んだ。反転授業の先行研究をもとに、反転授業を設計する観点として、反転授業の設計の確認、事前学習の設計と対面授業の設計、連関性と整合性の確認を支援する必要性があるとまとめた。 次に「連関性」の具体を探るために、大学教員の反転授業設計を分析した。その結果、教員が「連関している」と対応付けた事前学習と授業の活動の間には、いくつかの連関性(例えば前提知識の確認、対面授業への方向づけ、ねらいの確認、内容の確認など)があることを明らかにした。 最後に、反転授業実践初心者が抱える設計・実践上の難しさを調査した。その結果、反転授業経験のない教員は「反転」後に授業でどのような活動を取り入れたら良いか悩むこと、目標と整合する活動を設定することに苦慮すること、設計段階ではメディア選択の理想と作成可能性との葛藤に揺れたり、いつ・どの程度の知識を解説するかという解説する知識の量と配列を決めることに試行錯誤をしていたことが伺えた。また、実践中は評価方法および配布する教材と反転授業時の活動の整合性が欠けていたことで、対面授業の時間が不足することに苦慮することがあったものの、学生の理解が深まることや主体的な学びが実現していることの実感や、やりたい授業が実現できている実感を感じていたことが明らかになった。 以上の研究結果から、反転授業実践初心者に対し、事前学習の設計と対面授業の設計、連関性の確認、整合性(特に教材の形式と対面授業の活動、評価方法と反転授業中の活動との整合性)の確認を支援する必要性があるとまとめられた。
|
Research Products
(3 results)