2022 Fiscal Year Research-status Report
科学的探究の性質への理解を促進する教授方略:アーギュメント駆動型探究に着目して
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22K20291
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Research Institution | Osaka Shin-Ai Gakuin University |
Principal Investigator |
村津 啓太 大阪信愛学院大学, 教育学部教育学科, 講師 (10967699)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | アーギュメント / 科学の性質 / 教授方略 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、近年アメリカで注目されつつある「アーギュメント駆動型探究(argument driven inquiry)」の詳細な検討・分析を通して、科学的探究の性質に対する小学生の理解を促進するための教授方略を開発し、その有効性について検証することを目的としている。そのために、①先行研究の精査に基づく教授方略の開発、②小学生対象の実験授業を通した教授方略の検証、③検証結果をもとにした教授方略の改善を行う予定である。 2022年度は,「アーギュメント駆動型探究(argument driven inquiry)」に関わる先行研究を精査し、その教授方略について整理することができた。整理された教授方略として、アーギュメントの基本的な構成能力を育成する「育成」、アーギュメントを可視化し批評し合う「批評」、学習者が取り組んだ科学的探究を明示的に振り返る「内省」、各個人が作成した学習レポートをお互いに査読し合う「査読」という4点を見出すことができた。また、科学的探究の性質への理解を測定する尺度として、アメリカ次世代スタンダード(NGSS, 2013)に基づき「科学的方法の多様性」「科学における実証的証拠の重要性」「科学的知識の暫定的性質」「科学における他者の説得の重要性」という4観点についての質問紙調査の作成をすることができた。 実験授業については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に応じて、その実施方法について検討を行った。2022年度の研究成果の発表に関しては、日本理科教育学会第72回全国大会で研究成果の一部を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
交付申請書に記載した研究目的について、2022年度はやや遅れている。科学的探究への理解を促進する教授方略の開発、その測定方法の開発に着手することはできたものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、教授方略を反映した実験授業が実施できていないためである。研究成果の発表については、国内学会において開発した教授方略の概要を公表することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に完了することができなかった実験授業を実施し、科学的探究への理解を促進する教授方略の有効性について検証する予定である。研究成果の発表については、国際会議および国内学会における研究発表に加えて、学術誌論文の作成を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて,当初計画の一部を十分に実施することができなかった。そのため、実験授業実施に関わる予算、データ分析のための予算が必要になったから。使用計画として、物品費、成果発表旅費、その他に使用する予定である。
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