2022 Fiscal Year Research-status Report
Study on the Teaching Practices at Paedagogische Akademien during the Weimar Republic
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22K20296
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Research Institution | Okazaki Women's Junior College |
Principal Investigator |
藤井 利紀 岡崎女子短期大学, 幼児教育学科, 講師 (60962735)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 教育アカデミー / 教員養成所 / 教育実習 / 現職教員 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、教育アカデミー側のみではなく、現職教員側にも着目しながら、教育アカデミーにおける教育実習の実態を解明することである。こうした目的を達成するために、必要な作業として、今年度は教育アカデミー以前に国民学校教員養成を担っていた教員養成所がどのような教育実習を実施していたのかを明らかにすることと、教育アカデミーがどのような経緯で現職教員との関わりが強くなる学外実習を導入したのかを解明することの二つに取り組んだ。 本研究の取っ掛かりとして、2023年2月11日から3月2日までドイツに滞在し、教員養成所、教育アカデミーの教育実習に関する史料の調査および収集を行った。具体的には、ニーダーザクセン州立文書館ハノーファー支部、ゲッティンゲン大学文書館、チューリンゲン州立文書館ゴータ館、ブランデンブルク州立文書館、プロイセン文化財団枢密文書館、ハンブルク州立文書館、ヘッセン州立文書館マールブルク館、フランクフルト市史研究所文書館を訪問した。さらに、ベルリン州立図書館、フンボルト大学図書館等を訪問し、先行研究となる文献の調査および収集をした。 特に、ニーダーザクセン州立文書館ハノーファー支部、ゲッティンゲン大学文書館では、アルトナ教育アカデミーやハノーファー教育アカデミーが学外実習を取り入れようとした背景や、学外実習の実施に向けて県の教育局と綿密な交渉をしていたことが明らかとなる史料を入手することができた。さらに、ヘッセン州立文書館マールブルク館では、教員養成所が教育実習の際に用いていた実習校に関わる史料を見つけることができた。現在、これらの文書館で入手した史料を読み進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、教員養成所がどのような教育実習を実施していたのかを明らかにすることを目的とした論文を学内紀要等に執筆する予定であったが、一部史料が不足しており、論文化に至らなかった。しかし、2月から3月にかけて、ドイツ各地の文書館を訪問することができ、教員養成所ならびに教育アカデミーの教育実習に関する十分な史料を収集することができた。これらの史料をすでに読み進めており、次年度には研究成果を公表することが見込めることから、「おおむね順調に進展している」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
教育アカデミー以前に国民学校教員養成を担っていた教員養成所がどのような教育実習を実施していたのかを明らかにすることと、教育アカデミーがどのような経緯で現職教員との関わりが強くなる学外実習を導入したのかを解明して、それらの研究成果を論文にまとめたい。さらに、現職教員側が教育アカデミーの教育実習をどのように捉えていたのかに焦点を当てながら、教育アカデミーの教育実習の実態についてまとめた論文を執筆する予定である。 さらに、ドイツの文書館や図書館において、追加の史料調査・収集を行う。 他に、2年間の研究成果をまとめて、報告書を執筆する予定である。
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Causes of Carryover |
理由は二つある。 一つ目は、4週間の日程で調査を実施する予定であったが、3週間に日程を変更したことである。 二つ目は、先行研究に関わる文献の購入を予定していたが、ドイツの図書館において収集を行なったためである。 次年度に繰り越した額は、史料調査もしくは先行研究に関わる文献の購入に充てたい。
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