2022 Fiscal Year Research-status Report
Developmental study of prosocial motivation affecting the effects of prosocial behavior in early adolescence
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22K20303
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山本 琢俟 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 助教 (90962093)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 動機づけ / 向社会的動機づけ / 向社会的行動 / 自律性 / 関係性アプローチ / 青年期初期 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,従来ポジティブな側面が強調されてきた向社会的行動について,その効果の規定因について検討する。近年,学校教育においてもその有用性から向社会的行動に関する指導が強調されるようになってきている。教育場面への貢献を期待し,本研究では,向社会的行動の効果の規定因として,向社会的行動の動機づけを主として取り上げ検討を試みるものである。本年度(令和4年度)における本研究課題の実績概要は以下の2点にまとめられる。 第一に,向社会的行動の性質についての理論的検討および基礎的な検討を行った。向社会的行動という概念自体が広く他者の利益を意図する行動であるがゆえに,本研究で対象とする青年期初期の子どもにおける向社会的行動とその動機づけがどのように関連しているのかについて,横断的に検討した。調査方法はオンライン上での質問紙調査を採用し,データ収集の後に統計的な分析を行った。以上の内容は日本社会心理学会大会および日本パーソナリティ心理学会大会にて発表された。 第二に,青年期初期における向社会的行動が導く効果について量的に検討した。向社会的行動はその対象や生起場面が多様である。そのため,子どもが多くの時間を過ごす学校場面に着目し,学級内での向社会的行動が学級内での適応や他者からの受容・排斥とどのような関連を持つか検討した。また,向社会的行動と先述のアウトカムとの関連について,向社会的行動の動機づけや学級風土による調整効果の可能性について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画自体はおおむね順調に進展している。しかし,研究成果の発表について予定よりも遅れている。現在,研究成果を発表する準備を進めている。なお,この遅れについては今後の研究計画を侵害するものではない。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度(令和5年度)に遂行する内容として,向社会的行動とその効果についての実験的手続きがある。また当社は予定されていなかったが,研究遂行において向社会的行動の動機づけについての基礎的検討をより重点的に行う必要性が出てきた。そのため,令和5年度は,研究計画に若干の変更を加え,上記2点に取り組む。また,令和5年度は今年度(令和4年度)以上に現職教員等との議論の場を設け,実際の教育現場との連関を強く意識しながら本研究課題を遂行していく。
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Causes of Carryover |
参加を予定していた国際学会(Society for Personality and Social Psychology)への参加が都合によりかなわなかったため
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