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2022 Fiscal Year Research-status Report

加害者から被害者への共感が罪悪感の経験や謝罪行動へ及ぼす影響の検討

Research Project

Project/Area Number 22K20309
Research InstitutionHiroshima Shudo University

Principal Investigator

八木 彩乃  広島修道大学, 健康科学部, 講師 (50837581)

Project Period (FY) 2022-08-31 – 2024-03-31
Keywords謝罪 / 共感 / 罪悪感
Outline of Annual Research Achievements

謝罪は,対人関係の継続に際して重要な対処法のひとつであり,その心理メカニズムの解明はひとの社会を維持する上で有益な知見となる。これまでの心理学研究では,謝罪は主に罪悪感が促す向社会的行動のひとつとして取り扱われてきた(e.g., Baumeister et al., 1994)。しかし,謝罪が「関係を修復する」という目的を持つ以上,その関係にある相手だからこそ発生する何らかの認知的あるいは感情的な他の要因が加害者の宥和行動に影響を及ぼすはずである。本研究では,被害者側の宥和行動の規定因である“共感”を取りあげ,加害者側の宥和行動や,これまでの研究で謝罪のひとつの要因であることが示されてきた罪悪感との関係を明らかにする。
罪悪感・共感と謝罪とのお互い及ぼす影響の関係性については幾つかの可能性が考えられる。これら三変数に着目した先行研究としてはHowell et al.(2012)が挙げられるが,当該研究では実験の手法上,共感‐罪悪感の経験順序を論じられてはいない。本研究では,共感は罪悪感の発達に欠かせないものであるという発達心理学分野の知見に基づき(e.g., Zahn-Waxler, & Robinson, 1995),謝罪相手への共感によって罪悪感が促され,謝罪を導く,という関係性を予測し,これを検証する。社会場面でしばしば重要な意味を持つ謝罪について,その感情的な規定因を明らかにすることは,仲直りの過程において被害者側の許しを重点的に扱ってきたこれまでの研究に対し,新たな視点から考慮するきっかけを与えるだろう。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

実験準備と並行し,今一度理論面や仮説の妥当性を確認するために研究会を実施し,複数の研究者にご参加いただいた。そこで,いくつかの点において非常に重要な指摘を頂戴したため,それらの確認および対応のために実験準備は一時中断し,文献調査を行った。また,行動実験を実施する前に,オンラインでの調査を先行させた方がよいと判断されたため,その準備に着手した。現在,オンライン調査に先駆けた事前調査を実施し終え,本調査に向けた調整を行っている段階である。

Strategy for Future Research Activity

オンライン調査の実施,および分析を迅速に行い,その結果に応じて行動実験の手続き等について再考,調整を行う。また,今回行う調査の結果によっては,再度,オンライン調査にて年代をまたいでの横断的データを収集し,一般性の検証を行う。得られた結果については,随時研究会,学会等で発表し,フィードバックを求める。

Causes of Carryover

実験準備段階において,手続き等の見直しが発生したため,昨年度内での実験実施が困難となった。本年度はオンライン調査の実施,および行動実験の実施あるいはオンラインでの再調査を行うとともに,それらの結果を学会等で発表することを目指す。

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Published: 2023-12-25  

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