2022 Fiscal Year Research-status Report
不眠症に対する遠隔心理療法の長期的な有効性の検証と客観的機序の解明
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22K20313
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
田中 春仁 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, 客員研究員 (40727666)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 睡眠障害 / 遠隔心理療法 / 認知行動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
テレビ会議システムを活用した遠隔心理療法はコロナ禍での感染拡大予防や医療の地域格差の解消を目的に急速に研究が進んでいるものの、世界的にその有効性の検証は介入終了数か月以内の短期的なものに留まり、1年を超える長期的な有効性は明らかではない。テレビ会議システムを活用した遠隔心理療法の長期的な有効性の検証は今後の遠隔心理療法の社会実装のために欠かせないものであり、そのエビデンスの検証が求められている。 そこで本研究では、睡眠障害患者に対する遠隔心理療法の長期的な有効性及び安全性を探索的に検証し、わが国での遠隔心理療法の礎となるデータを取得することを目的とした。この目的の達成のために、現在進行中の不眠症患者に対する遠隔心理療法の臨床試験の研究参加者を対象に、遠隔心理療法終了後1年にわたる追跡調査を実施し、遠隔心理療法の長期的な有効性および安全性を検証する。 本年度はすでに進行している不眠症患者に対するテレビ会議システムを活用した遠隔心理療法の臨床試験の1年後のフォローアップ調査を計画し、研究倫理申請を行った。同時に、本研究のデータを格納するデータ管理システムを構築した。研究倫理の承認後、遠隔心理療法終結後1年経過する者のうち、口頭及び書面にてインフォームド・コンセントを取得できた者に対し、フォローアップ調査を実施した。取得したデータは随時データ・クリーニングを行い、データセットを構築している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は既存の臨床試験の対象者に対し、改めて研究の同意を取得し、追跡調査を実施するものである。すでに研究倫理の承認は得られており、追跡調査がはじまっていることから当初の計画通りのペースで研究が遂行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、遠隔心理療法終結後、1年が経過する者に対し、インフォームド・コンセントを取得し、研究への参加を促す予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の長期化に伴い、一部研究計画書を修正したため、使用額の変更が生じた。計画変更後に伴い、次年度の使用額は研究対象者のリクルートスピードのアップと負担軽減のための謝金に使用予定である。
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[Presentation] 患者ピットイン形式での遠隔認知行動療法の臨床試験に伴う研究機関の連携に関する時間的コストの検討:速報2022
Author(s)
野間紘久, 大井瞳, 山本浩彰, 窪田恵美, 田中春仁, 宮崎友里, 井上真里, 新川瑤子, 大塚公美子, 高階光梨, 中島俊, 久我弘典
Organizer
日本認知・行動療法学会第48回大会