2022 Fiscal Year Research-status Report
がん経験者の生きがいや価値観に着目した心理的支援の効果検討:ランダム化比較試験
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22K20323
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
畑 琴音 早稲田大学, 人間科学学術院, 助教 (60962355)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | Psycho-oncology / Values / Environmental reward / Activity restriction / Depression / Anxiety / Self-help |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度の研究活動として、前期(~9月)はランダム化比較試験(以下本RCT)に向けた資材準備やリクルート、関連論文の執筆・研究発表などを行った。まず、がんを含む身体疾患患者の心理的支援のニーズ調査のデータをもとに国際学会にて発表を行った(研究業績1)。後期(10月~)は、主にRCTに使用するプログラムの構成、資材準備を行い、対象者リクルートのための関連機関との会議などを実施した。また、本RCTの重要な構成要素である「価値」ががん経験者の活動抑制とどのような関係があるのかについて、横断調査のデータを解析し、日本サイコオンコロジー学会においてポスター発表を行った(研究業績2)。 ・主な研究業績 1.Hata, K, Tajima, E., & Suzuki, S: 2022 Preferences for psychological support needs upon highly distressed chronic illness patients in Japan. European Association for Behavioural and Cognitive Therapies, 52nd Annual Congress, Virtual Congress, September, Online Programme, pp19. 2.畑琴音・田島えみ・鈴木伸一 2022 がん経験者における活動抑制と価値との関連 日本サイコオンコロジー学会総会プログラム・講演集,p224.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RCTの実施に向けた資料、資材、リクルート先との調整などを行ったため、研究はおおむね順調に進展していることが考えられる。また、RCTの心理的機序を明らかにする観察研究などを学会で発表することもできた。来年度の1年間で、実際のRCTの症例登録開始、全例へのプログラム実施を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
RCT実施に向けて、7月頃までに倫理申請を行う。8月に開始が許可されたのち、リクルートを行う関係機関を確定する。同時期に、本研究のプロトコルを論文として学術誌等に登録することを計画している。介入者のトレーニングも進め、有資格の介入者が3名ほど確保できるようにする。9月には症例登録を開始し、3月までの6か月間で30-40名ほどの症例登録を目指す。
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Causes of Carryover |
リクルートに必要と考えていた旅費が、オンラインミーティングなどを導入したことから不要となった。また、国際学会での発表なども、新型コロナウィルス感染拡大の関係から中止になったことにより、使用額が変動した。さらに、症例登録が今年度ではなく、来年度からになることから、謝礼などRCT開始後に必要な経費が発生しなかった。そのため、RCT実施後に必要な経費を次年度に繰り越すこととした。
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Research Products
(7 results)