2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K20334
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高橋 雄也 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 博士研究員 (30967667)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 幾何学的量子化 / 完全可積分系 / 偏極 / オペラッド / シンプレクティック多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
交付申請書に記載した通り,様々な例で観察されている偏極不変性の原則についてのオペラッド構造に着目した研究を行なった.偏極不変性の原則の裏にオペラッド構造が隠れているような例としては,これまでに空間多角形のモジュライ空間の場合が知られている(Takahashi).本年度は特に空間多角形のモジュライ空間以外の,オペラッド構造を備えた例のさらなる探索に取り組んだ.その結果,Riemann面上のSU(2)-平坦接続のモジュライ空間についても同種のオペラッド構造が存在していることがわかった. 空間多角形のモジュライ空間の例では,平面多角形やその三角形分割をその双対グラフである内頂点がただ一つの平面木 (corolla) や三価根付き平面木と同一視した上で,それらの接木という操作から生じる量子ヒルベルト空間の漸化構造がオペラッドの射として定式化される.Riemann面上のSU(2)-平坦接続のモジュライ空間の場合では,点付きRiemann面同士を貼り合わせる操作から定まるオペラッドなどの種数をもったオペラッド(モジュラーオペラッド)を考え,土屋-上野-山田の共形ブロックの空間の結果等を用いて量子ヒルベルト空間の漸化構造をオペラッドの射として定式化した.上記の結果については現在論文準備中であり,研究集会「Geometric Quantization and Related Topics」(琉球大学,2023年3月8日)で発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Riemann面上のSU(2)-平坦接続のモジュライ空間や共形ブロックの空間に関する先行研究の整理に想定以上の時間がかかってしまった.
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度に引き続き偏極不変性の原則の裏にオペラッド構造が隠れているような例の探索を進める.またこれと並行して中間偏極を考慮に入れた偏極不変性の原則の研究についても,関連資料や情報収集を行いながら取り組んでいく.
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Causes of Carryover |
体調不良により参加できなかった研究集会があったため.次年度使用額については,研究集会参加のための旅費として使用する予定である.
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