2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K20342
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
軽尾 浩晃 学習院大学, 理学部, 助教 (80963363)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | スケイン代数 / 指標多様体 / 量子団代数 |
Outline of Annual Research Achievements |
モンペリエ大学のJ. Korinman氏との共同研究を主に行なった. 共同研究は以下の2つから成る. (1) 指標多様体のZariski稠密開集合であるAzumaya集合がどういう形をしているのかを明確にした. 応用として, 非半単純位相的場の理論由来のTorelli群の射影表現を簡潔に再解釈することができた. 結果をプレプリント(arXiv:2211.13700)としてまとめ, 現在投稿中である. この結果はLe--Yuのサーベイにおける予想の反証になっており, インパクトがあると言える. 特に, 非半単純位相的場の理論由来のスケイン代数の表現や量子6j記号を用いており, 先行研究とは大きく異なるアイデアや手法に基づいている. (2) 懸案であった穴あき曲面に対するスケイン代数の有限次元表現を分類した. こちらも結果をプレプリント(arXiv:2303.09433)としてまとめ, 現在投稿中である. この分類のために, 曲面の分解に関するAzumaya集合の分解公式を与えた. 曲面から1点穴あき2角形を取り除くことで量子団代数と関係するパートに帰着することができ, これに対してMuller--Nguyen--Trampel--Yakimovの量子団代数のAzumaya集合に関する結果を適用するというのが証明の根幹になっている. そのため, 低次元トポロジーに収まらない立ち位置の研究として意義がある. 本年度は4件の招待講演の機会をいただいた. そのうち2件は国際研究集会における口頭発表であり, 国内外を問わず多くの研究議論をすることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
有向閉曲面のスケイン代数のAzumaya集合についての研究計画が完了し, さらに研究計画では予定していなかった穴あき曲面のスケイン代数に対しても考察を進められたため.
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Strategy for Future Research Activity |
Fock--Goncharovの与えた双対写像の量子化に関する正値性予想をMullerスケイン代数を用いて定式化し, ある曲面族に関して正値性予想を肯定的に証明する.
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Causes of Carryover |
東北大学への出張の際に、先方の科研費で出張をすることになったため(研究計画自体は遂行している)。 次年度の旅費にまわす。
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