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2022 Fiscal Year Research-status Report

Investigation of Cosmic-ray Particle Acceleration Mechanism and Maximum Energy by Galactic X-ray Binary Jets

Research Project

Project/Area Number 22K20386
Research InstitutionKagoshima University

Principal Investigator

酒見 はる香  鹿児島大学, 理工学研究科, プロジェクト研究員 (40944848)

Project Period (FY) 2022-08-31 – 2024-03-31
Keywords電波天文学 / 宇宙線 / X線連星 / 宇宙ジェット
Outline of Annual Research Achievements

本研究計画は、X線連星SS433から噴出する宇宙ジェットにおける支配的な宇宙線粒子加速機構を明らかにすることを目的としている。そのために、まずは南アフリカ共和国の電波干渉計MeerKATで取得された電波観測データを解析し、宇宙線が加速されていることを示唆するTeVガンマ線放射領域におけるジェットからの電波放射の有無を明らかにすることを目指している。昨年度はMeerKATの観測データ解析を行うために新たな計算機サーバーを導入しそのセットアップを行った。環境構築は順調に行われ、解析を始めることが可能となった。また観測データはMeerKATのアーカイブにて公開され、データへのアクセスも問題ないことを確認した。実際の解析については、MeerKATの生データの解析経験が過去になかったため、経験者からの指導を受けながら慎重に進めている。次年度には解析を完了し、TeVガンマ線放射領域の電波放射強度分布を明らかにすることができる見通しである。またMeerKATデータを用いた、宇宙線粒子加速領域の磁場構造を解明するための偏波解析の手法についての検討も進めており、次年度から着手する予定である。
また、当該年度にはMeerKATの観測データ解析だけではなく、SS433ジェットによって加速された宇宙線の種類を特定するために重要となる、ジェット周辺の星間物質の観測・解析も行った。その結果、SS433ジェットと相互作用している可能性の高い星間物質の特定に成功した。この結果は、MeerKATの観測データを用いた宇宙線粒子加速機構の解明、また加速可能なエネルギーの推定において重要な示唆を与えると考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の予定通り、MeerKAT観測データ解析のための新たな計算機サーバーの導入、環境構築を行った。こちらは問題なく進められており、解析環境は十分に整えられたと言える。またデータへのアクセスについても問題ないことを確認した。ただし代表者がMeerKATの生データの較正の経験が無く、それに習熟するための期間が必要であったため、解析には若干の遅れが生じた。特にMeerKATで観測された偏波データの較正については、周辺に経験者がいなかったため、他の観測装置の場合と十分に比較をしながら進める必要があったため、当初計画より遅れた。このような遅れが生じてはいるが、全体としては研究計画は問題なく順調に進展していると言える。当該年度で十分な検討が行われたため、本解析で大きな遅れが生じることはないと考えている。また、当該年度にはMeerKAT観測データの解析がやや遅れたが、研究目的である宇宙線粒子加速機構と加速エネルギーの解明のために重要な、粒子加速領域周辺の星間物質の検出に成功した。これらの結果とMeerKAT観測データの解析結果を組み合わせることで、次年度には十分に研究目標が達成されると考えている。

Strategy for Future Research Activity

次年度は本研究計画の最終年度であるため、全ての解析を完了させ総括を行う。特に理論モデルとの比較を行う必要があるため、専門家との議論を開始する。加えて、既存のMeerKAT観測データでは不足する情報を補うための追観測をMeerKATを運用する機関SARAOに対して提案する予定である。これらの解析については本研究計画の発展的な内容になるが、最終的に本研究目的の背景となる学術的な問いに答えるための重要な研究であると考えている。
星間物質のデータ解析については、比較的低温高密度なガスである分子雲についてはほぼ全て完了しているため、続けて低密度なガスである中性水素ガスの解析にも着手する。分子雲、中性水素ガスの分布とMeerKATから得られる電波連続波の放射強度分布、さらにTeVガンマ線放射強度分布を比較することで、SS433ジェットで加速された宇宙線粒子の種類、加速されたエネルギーの調査が完了する。
年度の後半には本研究課題の総括のために、Fender教授らとの議論を進める。また、本研究課題の報告のために国際会議などにも参加予定である。

Causes of Carryover

新規購入した計算機サーバーが予算内に十分に収まったこと、また当該年度に早急に購入が必要な物品が無かったために僅かに余りが生じた。次年度に研究会参加や共同研究者との対面による議論を計画しているため、その旅費の補填に使用することを計画している。

  • Research Products

    (5 results)

All 2023 2022

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] Molecular clouds at the eastern edge of radio nebula W 502023

    • Author(s)
      Sakemi Haruka、Machida Mami、Yamamoto Hiroaki、Tachihara Kengo
    • Journal Title

      Publications of the Astronomical Society of Japan

      Volume: 75 Pages: 338~350

    • DOI

      10.1093/pasj/psad001

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] SS433 ジェット先端フィラメントの広帯域スペクトル解析2023

    • Author(s)
      酒見はる香 (鹿児島大学), 永井洋, 町田真美 (国立天文台), 赤堀卓也 (国立天文台/SKA天文台), 大村匠 (東京大学), 赤松弘規 (SRON), 中西裕之 (鹿児島大学), 藏原昂平 (国立天文台)
    • Organizer
      日本天文学会2023年春季年会
  • [Presentation] マイクロクエーサーSS433ジェット先端領域の電波観測2023

    • Author(s)
      酒見はる香 (鹿児島大学), 永井洋, 町田真美 (国立天文台), 赤堀卓也 (国立天文台/SKA天文台), 大村匠 (東京大学), 赤松弘規 (SRON), 中西裕之 (鹿児島大学), 藏原昂平 (国立天文台)
    • Organizer
      SKA-Japanワークショップ2022
  • [Presentation] SS433ジェット先端のコンパクトな高偏波率領域の磁場構造2022

    • Author(s)
      酒見はる香 (鹿児島大学), 永井洋, 町田真美 (国立天文台), 赤堀卓也 (国立天文台/SKA天文台), 大村匠 (東京大学), 赤松弘規 (SRON), 中西裕之 (鹿児島大学), 藏原昂平 (国立天文台)
    • Organizer
      日本天文学会2022年秋季年会
  • [Presentation] Identification of high-ordered magnetic fields at the SS433 jet terminal region2022

    • Author(s)
      Sakemi, H., Machida, M., Nagai, H., Ohmura, T, Akahori, T., Akamatsu, H., Nakanishi, H., Kurahara, K.
    • Organizer
      COSPAR 2022 44th Scientific Assembly
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2023-12-25  

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