2023 Fiscal Year Annual Research Report
短寿命放射性核種と銀河シミュレーションで探る46億年間の太陽系移動
Project/Area Number |
22K20387
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Research Institution | The University of Aizu |
Principal Investigator |
藤本 裕輔 会津大学, コンピュータ理工学部, 准教授 (90965691)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 銀河系 / 太陽系 / 数値シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
銀河系内における多様な星・惑星系形成と我々太陽系の起源を理解するためには、時間的にも(46億年間)、空間的にも(銀河円盤全体)、銀河スケールで星と星間ガスの物質循環を解明することが必須である。本研究は天の川銀河の数値シミュレーションを軸に、従来からよく行われてきた天体観測との比較に加え、地球科学分野にあたる隕石や小惑星物質解析との比較も行う、新たな学際研究である。そして、1)46億年前の太陽系の出生地とその周囲環境、2)銀河円盤内における46億年間の太陽系移動の解明を目指している。上記の研究テーマ1に関しては、国際研究会の集録にて国際的な共著者とともに査読付きレビュー論文を執筆した。研究テーマ2の銀河円盤内における46億年間の太陽系移動の解明に関しては、国立天文台天文シミュレーションプロジェクトが所有するスーパーコンピュータ「Cray XC50」を用いて、銀河円盤の星間ガス流体シミュレーションを行った。また、シミュレーションデータの保存には大容量のデータストレージが、そしてシミュレーションデータの解析には大容量のメモリと高性能なCPUを搭載した計算機が必要であり、本研究費にてファイルサーバと計算機を購入した。そして巨大分子雲による重力散乱によって、銀河円盤上の星々がどの程度銀河半径方向に移動するのかを定量的に調べた。そして銀河数回転という短い時間の間に星々は1-2kpcの移動が可能であることを明らかにした。これは太陽系も誕生して間もない数億年の間に、巨大分子雲による重力散乱の影響を多大に受けた可能性を示しており、太陽系移動問題へ新たな知見を与えるものである。この結果について、本年度は国際研究会1件、国内研究会2件、査読付き国際学術論文1報の成果をあげた。
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