2022 Fiscal Year Research-status Report
X線自由電子レーザーの極限集光に向けた高安定な形状可変ミラーの開発
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22K20407
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
井上 陽登 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (40966777)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | X線集光 / 形状可変ミラー / 圧電素子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,X線自由電子レーザーを高い安定性の下極限的に集光することができるシステムの実現を目指し,形状可変ミラーの開発に取り組んでいる.本年度は,①積層構造と,②曲げモーメントを利用した構造のミラーを新規検討した. ①では,薄い圧電素子と,厚い圧電素子を接合させた新規構造を検討した.狙いは最大変形量と最小空間波長の向上である.高精度研磨面を用意することで,金属常温接合により2枚の素子が接合できることを確認した.また同時進行で,銀ナノ粒子を界面とすることで,無加圧接合が可能であることを確認した.接合された新規積層構造ミラーの変形量を干渉計で計測したところ,接合無しと比較して変形量が2倍近く大きくなり,幅2mmの凹凸を再現することができた. ②ではまず,電圧印加による素子の伸縮(逆圧電効果)の方向が通常と異なるため,有限要素シミュレーションにより最適な結晶カット角を決定した.実際にミラーを作製し,変形量をテストしたところ,①で作製したミラーよりも幅は広いものの10倍以上大きく変形することを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
想定通りの性能を持つ形状可変ミラーが実現した.今後さらに改良することで性能向上が期待できる.
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り推進していく.具体的に,X線環境下での実証に進んでいく.有限要素法に基づき設計の最適化などを逐次検討し,更なる性能の向上に努める.
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Causes of Carryover |
治具等を安価で購入できたため.放射光実験の準備に充てる.
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