2022 Fiscal Year Research-status Report
プラズマ援用研磨プロセスによる単結晶GaN基板の高能率無歪加工
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22K20410
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
孫 栄硯 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (50963451)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | プラズマ援用研磨 / 窒化ガリウム(GaN) |
Outline of Annual Research Achievements |
大面積のGaN基板のプラズマ援用研磨(Plasma-assisted polishing: PAP)においては、プラズマ改質レートを向上するために、プラズマ照射面積を増加するのは一番効率的な方法である。大気圧プラズマより、減圧下でのプラズマは不安定なアーク放電に移行しにくくなり、大面積かつ安定なグロー放電状態を維持しやすい。したがって、今年度は、プラズマ改質レートを増加するため、大気圧PAPの代わりに、減圧PAP装置を立ち上げた。真空チャンバーの圧力及び平板電極とGaNウエハ間の距離の最適化により、減圧下でも安定なグロー放電CF4プラズマが発生でき、2inchのGaNウエハの全面照射が実現できた。X線光電子分光(XPS)によるCF4プラズマ照射前後のGaN基板表面の化学結合状態を分析した。その結果、減圧CF4プラズマ照射によりGaNウエハ全面的にGaF3改質層が形成したことがわかった。次に、改質されたGaNウエハに対して、軟質なCeO2ビトリファイドボンド砥石を用いて研磨実験を行ったところ、GaF3改質層を完全に除去できることも確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
減圧雰囲気で大面積かつ安定なグロー放電CF4プラズマを用いて、2inch GaNウエハの全面照射によりプラズマ改質レートの向上を実現でき、軟質CeO2砥石で改質層も除去できたので、計画通りの進捗状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、GaNウエハのプラズマ改質レートと反応ガス種、チャンバー圧力、電力密度、基板温度などの相関を調査し、プラズマ改質パラメータを最適化する。また、改質層と砥粒材質の固体間相互作用メカニズムの解明し、砥粒材質、砥粒粒径、ボンド材質、結合強度、気孔率などの砥石パラメータも最適化し、研磨レートと研磨品質の向上を図る。
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Causes of Carryover |
現有基板キャリアを改造して流用できたため未使用が生じた。この未使用額は2023年度に砥石の作製に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)