2022 Fiscal Year Research-status Report
次世代メモリの研究を飛躍的に促進する電気的特性の統計的計測プラットフォーム技術
Project/Area Number |
22K20422
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
間脇 武蔵 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 助教 (10966328)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | メモリ / 半導体 / 計測技術 / 不揮発性メモリ / アレイテスト回路 / 統計的評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、次世代メモリ材料等の創出に資する電気的特性の統計的計測を行う新規大規模テスト回路を提案・作製し、短ターンアラウンドタイム・低コストでの半導体素子の試作及び統計的評価を可能にするプラットフォーム技術を確立することである。 まず電気的特性の統計的計測を行う新規大規模テスト回路の試作品を設計し、半導体製造プロセスを用いて作製した。テスト回路には動作原理検証用ポリシリコン抵抗素子を搭載し、追加製造プロセスによるメモリ素子の形成を行うことなく、回路の動作検証を行うことを可能にした。この試作品テスト回路の動作検証の結果、テスト回路が問題なく動作することを確認した。さらに検証用ポリシリコン抵抗素子の抵抗値を、配線等の寄生抵抗の影響を極力排除しながら計測することに成功した。また追加製造プロセスを行いメモリ素子の試作を行い、追加プロセスによるメモリ素子形成が十分に可能であることを確認している。 今後、追加製造プロセスによって次世代メモリ材料を形成し、短ターンアラウンドタイム・低コストでのメモリ素子の試作、及び電流・抵抗といった電気的特性の統計的評価手法の実証を行う。この実証をもって、次世代メモリの評価プラットフォーム技術として確立する。またプラットフォーム技術を利用して、次世代メモリに適した材料の選定及び高性能なメモリ素子を作成するための指針を明らかにする。さらに次世代メモリの信頼性評価のため物理現象に則った故障原因について調査を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
まず電気的特性の統計的計測を行う新規大規模テスト回路の試作品を設計し、半導体製造プロセスを用いて作製した。この試作品テスト回路の動作検証の結果、テスト回路が問題なく動作することを確認した。さらに動作原理検証用ポリシリコン抵抗素子の抵抗値を、配線等の寄生抵抗の影響を極力排除しながら計測することに成功した。現在までに追加製造プロセスを行いメモリ素子の試作を行い、追加プロセスによるメモリ素子形成が十分に可能であることを確認している。 当初の研究計画では、2022年度中に追加プロセスにより次世代メモリ材料を形成し、短ターンアラウンドタイム・低コストでの半導体素子の試作、及び電流・抵抗といった電気的特性の統計的評価が可能であること実証する予定であった。しかしながら次世代メモリ材料の形成に障壁があり、想定以上の時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の方策として、当初の研究計画通りに進める予定である。追加プロセスにより次世代メモリ材料を形成についても目途が立っているため、プラットフォーム技術を確立についても達成できると考えている。さらに計測した次世代メモリ材料において、電気的特性を決定づける主分布から外れる統計的な現象が、微細化に伴って発生するのか或いは製造技術のばらつき等に起因するものなのかを明らかにしその解決指針を与える。 同時に三次元積層技術を導入した追加形成プロセスの手法についても開発を進める。三次元プロセスによって、より多くのメモリ材料に対応できるプラットフォーム技術となる。最終的には次世代メモリに適した材料の選定及び高性能なメモリ素子を作成する指針を明らかにする。さらに次世代メモリの信頼性評価のため物理現象に則った故障原因の評価基準を策定する。
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Causes of Carryover |
当初の実験計画に比べ、実験用サンプル作成時期に遅れが生じため、当該年度中に費用の使用ができなかったことにより、次年度使用額が生じた。 研究計画に遅れはあるものの変更は行わないため、実験用サンプル作成にかかる費用を翌年度分として使用することを希望する。
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