2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Fast Analysis and Design of Magnetic Components for Switching Converter Driving at Several 10MHz to 100MHz
Project/Area Number |
22K20435
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
佐藤 佑樹 青山学院大学, 理工学部, 助教 (00966004)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 高周波スイッチング電源 / 磁気損失 / キャパシティブ共振法 / Cauer回路 / 磁気損失モデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、高周波損失測定とそのモデリング方法に関して取り組んだ。 高周波損失測定においては、高精度の損失測定を可能とする損失校正法を提案した。数10MHz以上の高周波回路で使用される低透磁率材料では、損失測定中に磁束の漏れに起因して損失測定の精度が低下することが知られている。そこで、代表者らは磁束の漏れを補正する方法の提案を行い、磁束の漏れが多い場合においても精度良く損失測定が行えることを示した。また、キャパシティブ共振法を用いることにより、50-60MHzまでの高精度測定を行えることを示した。これらの研究により、本研究のタイトルでもある数10MHz以上のスイッチング電源に使用する磁気材料の損失測定を可能とし、設計に対しても適用が可能となった。 高精度に広範囲の周波数でのモデリングを行うことができるようになったため、高精度な磁気特性のモデリングの手法の提案を行った。これまでは、スタインメッツベースの方法が多く使用されていたが、この方法は広範囲の周波数では精度が落ちてしまうという欠点が存在していた。そこで、Cauer回路をベースとしたモデリング方法を開発した。本手法では、数100kHzから数10MHzまでの磁気材料の損失モデリングを行うことが可能である。また、磁気材料特有の特性であるDC重畳特性やヒステリシス特性も含めた解析も可能であり、従来使用されているスタインメッツの方法と比較し、非常に汎用的である。また、回路系となっているため、周波数領域、時間領域の横断も容易であり、電源回路特有の入力(三角波や矩形波等)に対しても容易に対応可能である。 これらの研究結果より、今後開発が進んでいく数10MHz-100MHzスイッチング電源の開発、設計に大いに貢献できると考えられる。
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