2023 Fiscal Year Annual Research Report
Estimation of amount of air-borne salt adhered to structural surface by multiscale airflow analysis
Project/Area Number |
22K20453
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Research Institution | Matsue National College of Technology |
Principal Investigator |
坪倉 佑太 松江工業高等専門学校, 環境・建設工学科, 助教 (40964846)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 維持管理 / 付着塩分 / CFD |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,①大気中塩分濃度の評価手法の構築,および②構造物に付着する塩分量の推定手法の開発を進め,構造物に付着する塩分量の定量的かつ簡便な推定手法を提案することである.海面で生じ,内陸部に飛来して構造物に付着する「飛来塩分」は,腐食の主要因であり,構造物の耐久性を低下させるため,飛来塩分量および付着塩分量を精度よく推定することは維持管理上,極めて重要である. 本研究では上記①に関し,領域気象モデルWRF/Chemによる大気中の塩分量予測を試みた.結果として,沿岸域および内陸の汽水湖での海塩粒子の発生条件を適切に修正することで,大気中の塩分量を従来に比べ高精度で予測できることが明らかになった.なお,従来,比較的精度が低いとされていた軽負荷な予測モデルにおいて,上記の修正を施すことにより,予測精度が改善したことから,計算負荷の改善といった面でも成果を挙げている. ②に関し,構造物周囲の気流と粒子の連成解析を数値流体解析を用いて実施することにより,矩形断面および橋梁断面を模した断面における粒子の塩分付着分布を明らかにした.なお,粒子は断面上流から飛来する場合と,冬季に路面に散布される凍結防止剤を想定して断面上面より飛来する場合の2パターンの解析を行った.結果として,壁面に付着する粒子・粒子分布は,粒子径や風速に応じて大きく変化するほか,矩形断面・橋梁断面共に断面の縦横比(断面辺長比)に依存することが確認された.また,橋梁断面の場合,矩形断面にはない高欄の存在が,粒子の付着量・付着分布に影響することも明らかになった.粒子の壁面付着量の予測モデルの確立までは至っていないが,今後,本研究成果を基に,そうした予測モデルの確立が期待される.
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