2023 Fiscal Year Annual Research Report
3次元点群データへの深層学習の適用によるRC構造物の剥落予兆検知技術の開発
Project/Area Number |
22K20454
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Research Institution | Anan National College of Technology |
Principal Investigator |
角野 拓真 阿南工業高等専門学校, 創造技術工学科, 講師 (80963264)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 鉄筋コンクリート / 鋼材腐食 / ひび割れ / 剥離剥落 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,鋼材腐食の進行に伴いコンクリート表面に生じる変形量から鋼材腐食深さを回帰する機械学習モデルを構築し,レーザー測距機等で得られる三次元点群データから鉄筋コンクリート構造物の鋼材腐食によるひび割れや剥離・剥落を検知する手法の開発に関する基礎的な検討を行った. 解析では,破壊力学に基づく連続体損傷モデルを用いて,設計基準強度,かぶり,鉄筋径を変動させた2次元有限要素解析を実施した.実験では,鋼材腐食による鉄筋の膨張を強制変位として再現する治具を作製し,鋼材腐食によりコンクリート表面に生じる変形性状を把握するための基礎的な検討を行った.その結果,鋼材腐食の進行により生じるコンクリート表面の変形は,鉄筋直上部を頂点とした三角形状の変形が発生することを明らかにした.また,かぶりの値が同一の場合,コンクリート表面に生じる鉛直方向変位の最大値は変動しないものの,コンクリート表面に発生する三角形状の変形の範囲が広範囲化することを明らかにした.加えて,鋼材腐食深さの増加に伴い,鉄筋直上に発生する鉛直変位は概ね線形増加することが明らかにした. 鋼材腐食の進行に伴うコンクリート表面の鉛直変位と鋼材腐食深さの関係を整理し,教師データの整理を実施した.説明変数を鋼材腐食深さに設定し,目的変数を「任意地点での鉛直変位量」,「鋼材中心位置からの水平距離」,「任意地点直下での鋼材の有無」とした基礎的なデータベースを構築した.構築したデータベースを教師データとして用いて,ニューラルネットワーク援用した鋼材腐食深さの回帰モデルを構築した. 本研究で構築した回帰モデルを用いることで,コンクリート表面に生じる微小変形から鋼材腐食深さを推定することができ,進展期等の段階で変状を検知することができる可能性があることを確認した.
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