2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K20459
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
仲田 章太郎 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30964019)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 被災後補修 / 桁行ブレース構造 / 露出柱脚 / 地震応答解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、低層ブレース構造の被災後補修法の研究として、桁行ブレース構造に着目した3点の研究のうち、「立体骨組解析によるアンカーボルトの締め直しにおける余震に対する安全検証」に注力して研究を進めた。具体的には、STERA_3Dによる立体骨組の地震応答解析を実施し、アンカーボルトの締め直しによる被災後補修法について検討した。解析は、最大地動速度(PGV)を指標とする余震の大きさ、露出柱脚の復元力特性をパラメータとし、アンカーボルトの締め直しにおける補修割合(=締め直し量/本震時の残留変形)について考察した。本解析により得られた結果として、余震の大きさがPGVにして本震の50%以下であれば、屋内運動場は被災後補修の有無によらず余震の影響をほとんど受けないことが明らかになった。また、アンカーボルトの締め直しにおける補修割合が75%以下のような中途半端な締め直しは、かえって余震に対する屋内運動場の層間変形角を増加させる恐れがあることがわかった。したがって、アンカーボルトの締め直しによる被災後補修をする際には、完全に締め直す必要があることを示した。また、アンカーボルトの締め直しによる被災後補修の研究成果として、前年度に実施した「錆および塗装がターンバックルブレースおよびアンカーボルトの締め直しにおける締め直しの施工性に及ぼす影響」に関する要素実験の成果をまとめ、技術報告集を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、「3Dモデルによる立体骨組解析による余震に対する安全検証」に注力して研究を実施し、アンカーボルトの締め直しによる被災後補修について検討した。これと並行して、「あと施工アンカーを用いた増打ち部の要素実験」に関する試験体も作成した。 以上より、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
露出柱脚の補修箇所が偏ると建築物の偏心率が大きくなり、被災後補修がかえって層間変形角を増加させる危険性があるため、今後は補修のバランスについて検討する。具体的には、アンカーボルトの締め直しによる被災後補修における補修箇所をパラメータとした立体骨組解析を行い補修箇所のバランスについて定量的に評価する。さらに、「あと施工アンカーを用いた増打ち部の要素実験」に関する研究も並行して実施する。
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Causes of Carryover |
試験体製作の費用が予想よりも高額になり翌年度分と併せた合計金額で作成するため、次年度使用額が「0」より大きくなった。
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Research Products
(3 results)