• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2022 Fiscal Year Research-status Report

半屋外空間をバッファーとして計画した建築における温熱環境の計画手法に関する研究

Research Project

Project/Area Number 22K20460
Research InstitutionKyoto Institute of Technology

Principal Investigator

菅 健太郎  京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 特任准教授 (80966341)

Project Period (FY) 2022-08-31 – 2024-03-31
Keywords半屋外環境 / パッシブ / バッファー空間 / 屋内緑化
Outline of Annual Research Achievements

半屋外空間を有する建築を対象に5件の実測を行った。
まず継続して実測している京都にある通り庭を半屋外空間として有する住宅については、一年の実測を終えデータを取りまとめて本年度の建築学会に発表予定である。結果からは通り庭となっている半屋外空間が外気と空調されているリビングのちょうど中間的な気候となっていることを示せており、またヒアリングからも半屋外空間を積極的に楽しむ住まい方が確認できた。次に計画書で予定していた住宅2件とレストラン1件のうち、1件の住宅(計画書では実測対象住宅1としていたもの)について実測機器を設置して計測を開始することができた。居住者へのヒアリングなどを行い半屋外空間での住まい方について確認を行い、年間の計測を通して今後検証していく。
予定していたレストランと住宅1件については、計画していたときから事情が変わり設置することができなかった。そのためいくつか変わりとなる建物3件を対象に実測を行っている。一つは京都にある民家2件で、一つは既存土壁の外側に半透明の外皮を設けてダブルスキン状に改修したもの、もう一つは屋内にBox in Box状に室を設けて断熱不足を解決する工夫を行ったもので、いずれも断熱性能の不足を補うために半屋外空間を活用したものである。現在測定データを録り貯めており、1年分揃ったところで分析を行う予定である。次に樹木を屋内に有する事務所建築を半屋外空間として捉えて実測を行った。大きなトップライトがあるため日射により室内が高温になることが予想される空間が樹木があることで温度を保たれていると仮定し、実測と計算を行い、樹木の蒸散効果によって温度上昇が抑えられていることが定量的に確認できた。こちらも今後1年分のデータを取って分析する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

測定対象予定だった建物3件のうち2件が事情が変わってしまったものの、代わりに半屋外空間的を有する民家と事務所を実測の対象として測定を始めることができた。秋から冬にかけてのデータを分析することで、建物によって異なる半屋外空間内の気候変動の様子、また簡易な計算モデルとの比較による温熱環境形成への影響や断熱性能向上などの省エネへの影響を分析することができた。また屋内に植物を有する事務所を対象に計算モデルと実測値との比較を行い、樹木の蒸散作用による温熱環境への影響を定量的に捉えることができた。当初の仮説である放射環境だけでなく、植物や土壌の存在、風の影響、光や音の影響など、建物の実測と居住者へのヒアリングを通して多面的な要素についての知見を得た。活動に必要なノートパソコン、解析用ワークステーション、気流解析ソフトウェアを購入し、次年度以降の活動の準備を行った。

Strategy for Future Research Activity

引き続き実測を継続し、1年間を通した半屋外環境のデータ分析を行う。また計測初期に得られた知見から、光環境、音環境についての実測と分析についても可能であれば追加計測して分析を行う予定である。
特に植物のある空間の温熱環境の分析については、植物の専門家の意見も踏まえて葉面積密度のより詳細な推定方法の検討、蒸散速度の計測などから、温熱環境への影響をより詳細に把握するとともに、実務的な計画に向けた概算手法の提案などに結びつけることを検討している。
初年度は予算の都合で計測機器を十分に揃えることができず温湿度計測が中心となったが、今後追加設置が許される範囲で、風速、放射温度、電力量、日射量など計測項目を増やしていく予定である。

URL: 

Published: 2023-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi