2023 Fiscal Year Research-status Report
町並み保全地域で地方自治体が取得した歴史的建造物の整備プロセスと利活用方策の解明
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22K20464
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
黒本 剛史 國學院大學, 観光まちづくり学部, 助手 (50963328)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 公有化 / 歴史的建造物 / 官民連携 / 町並み保存 / ヘリテージマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度においては、下記の研究活動を実施した。 ①研究背景としての町並み保存の系譜整理:民家・町家等からなる町並みの保存が提起され始めた1960年代以降を中心に、国内でこれまで議論されてきた事項の整理を実施した。具体的には「建築雑誌」「観光」「ジュリスト」等の雑誌における町並み・文化財保存の特集記事を収集したほか、関連するテーマの書籍、論文を収集し、系譜図として整理した。また、本研究の遂行のバックグラウンドとなる都市計画・まちづくり分野全般に関する知見を深めるための書籍収集・通読を実施した。 ②歴史的建物の公有化事例・町並み保存事例のプレ調査:町並み保存が進行している複数の地域(三重県伊勢市、石川県金沢市/加賀市、富山県南砺市/高岡市、栃木県栃木市、長野県上田市/東御市、東京都台東区谷中等)を訪問し、公有化施設をはじめとする建物の保存状況、活用に至るプロセス、運用実態を把握してプレ調査とした。その建物が活用される背景となった地域の事情はそれぞれ異なっており、求められる役割が異なることが把握できた。学術的調査によって建物価値を把握した上で、それを毀損しない改修を行うことが重要であるが、重伝建地区や文化財建物以外では仕組みが十分でなく、歴史的価値に配慮されるとは限らない状況であった。また、活用に対しての社会的要請が強まっており、活用段階を含めて改修費・運営費を賄う仕組みが必須になってきている状況が把握できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度までの研究計画であったが、研究が完了していないため2024年度も引き続き研究活動を実施する。 具体的には、悉皆調査にもとづく歴史的建造物の全国リストが完成していないため、2024年度にアンケート調査および分析を実施する。 詳細調査を行うことのできる事例について、視察・調査した中で幾つかの候補を挙げているが、絞り込みに至っていないため、調査可能性や事例の重要性の視点から検討のうえ決定し、詳細調査を実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は前年度までの研究結果を活用し、調査用紙を設計し、全国事例を対象にした悉皆調査を行なう。また、調査可能性や知見の有用性に着目して個別詳細に調査を進める重点事例を絞り込む。重点事例を対象としたヒアリング・文献調査により、物件の整備プロセスをなるべく詳細に把握するとともに、活用の実態を把握する。また、明らかになった知見を論文にまとめ、学会に発表する。
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Causes of Carryover |
旅費として130万円計上したうち、2023年度までに実施することのできた出張の合計額が30万円のため差額が生じた。次年度は詳細調査事例として抽出した地域への出張費、ならびにアンケート費用のために助成金を支出する。
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