2023 Fiscal Year Annual Research Report
窒化物の高速相変化現象とそのメモリデバイスへの展開
Project/Area Number |
22K20474
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
双 逸 東北大学, 材料科学高等研究所, 助教 (10962144)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 相変化材料 / 相変化メモリ / 窒化物 / 不揮発性メモリ / アモルファス相 / 結晶相 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度得られた結果は以下の通りである。 1、放射光を用いたX線吸収微細構造(XANES)などを通して、CrNの化学結合・電子状態変化を調査し、その相変化メカニズムを明らかにした。 2、実際のPCRAMセル構造と近いマッシュルーム型デバイスを開発し、動作特性の評価を行った。当該デバイスは、大きなON/OFF比(最大106)、高速なスイッチング速度(30ns)、および優れた書き換え繰り返し性能を実証できた。さらに、実用化されたGSTの性能との比較を行った。ヒーターサイズが37 nmの場合、CrNの消費エネルギーは47 pJであり、GSTデバイスと同じ構造のものよりも一桁低い(385 pJ)ことが示された。動作エネルギーがGSTデバイスよりも大幅に低減できるのは、CrN層内の融解が必要なく、かつ小さい相変化領域に起因している可能性が考えられる。 3、CrN相変化挙動とメモリ動作に関して、他の窒化物への拡張も検討している。最初の試みはCrN構造に類似するMoNとVN窒化物である。まだ成膜段階ではあるが、MoNとVNの成膜後も、CrNと同様の結晶構造が確認された。また、薄膜の電気特性も調査し、低抵抗状態の半導体特性を示すことができた。今後は、MoNとVNのデバイスを製作し、その動作性能を評価し、本研究のCrN相変化材料のさらなる性能向上を図る。 これらの成果は、材料科学、応用物理学、および情報技術の分野において、新たな知見をもたらし、革新的な技術開発やエネルギー効率の向上に貢献することが期待される。
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Research Products
(4 results)