2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of highly heat-conductive and low stiffness joint utilizing anisotropic microcomposite structure
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22K20480
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
巽 裕章 大阪大学, 接合科学研究所, 講師 (00961757)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 半導体実装 / 複合材 / はんだ / 熱伝導性 / ポーラス材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
電力制御用パワー半導体に対して、大電流に対応するための高電流密度化の要求が高まっている。そのため、パワー半導体内部の半導体チップと回路基板をつなぐ接合部には、熱を逃がす高熱伝導性と熱ひずみを緩和する低剛性の両立が求められている。 本研究では、接合部の内部に異方的な微細複合構造を創出することによって、狙った特性を狙った方向に発現させる新規接合プロセスの提案と、微細複合構造の設計指針を得ることを目的とした。具体的には、一方向性貫通孔を有するCu箔(ロータスCu箔)とSn基はんだを複合化する接合プロセスの開発と、得られた構造が熱的・機械的特性に及ぼす影響を調査し、以下の成果を得た。 ・被接合部材間にロータスCu箔とはんだ箔を挟みこみ、ロータスCu箔の気孔にはんだを溶融浸透させることによって、一方向に優れた熱伝導率を示し、かつ局所的に柔軟なはんだ層を配置した接合部構造とその接合プロセスを考案した。 ・はんだ厚さおよびボイド率が減少すると、熱抵抗が減少し、熱伝導率が増加することがわかった。特に、ロータスCu箔と被接合部材間のはんだ厚さの影響が大きいことがわかった。このような傾向は複合則に基づく計算結果と概ね一致した。 ・各種パラメータを統合的に制御することによって、はんだ単体の熱伝導率(55 W/m K)の約3倍に相当する、最大約150 W/m Kの熱伝導率を得ることに成功した。このことにより、従来のはんだ付と同様に簡便で、かつ非常に良好な熱伝導性を示す接合手法として期待できることを示した。
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