2022 Fiscal Year Research-status Report
応力・ひずみの多軸性に着目した構造材料の水素脆化特性の解明
Project/Area Number |
22K20488
|
Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
柴山 由樹 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 物質科学研究センター, 博士研究員 (20964323)
|
Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
|
Keywords | 水素脆化 / 応力三軸度 / 中性子応力測定 / 有限要素法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は実用部材が有する多軸応力・塑性ひずみ場に着目し、種々の変形状態における水素脆性破壊モデルの系統的な理解を目指すものである。当該年度は種々の変形状態を表現する力学試験に必要な環境整備とその検証を行った。 まず有限要素解析を用いて各応力三軸度を表現する試験片を設計した。具体的には応力三軸度を0から1の範囲で表現する3種類の試験片を設計した。そして設計した試験片・治具を作製し、試験環境を構築した。さらに、力学試験と同時に中性子を利用した応力測定が可能な環境を整備した。中性子応力測定はJRR-3に設置されているRESAを利用した。試験から得られた荷重-変位履歴と応力形成の経時変化を数値解析の結果と比較した。その結果、設計した試験片が各応力三軸度を表現したことが検証され、水素脆化挙動を定量するための環境が整った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画のとおり、本年度は種々の変形状態を表現する試験片を作製し、その力学試験の整備を行った。作製した試験片の力学特性を実験と数値解析を比較することでその性能を検証できたことから、おおむね順調に進展していると判断する。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度では研究の概要に示す通り、整備した力学試験を利用して種々の変形状態における水素脆化挙動を力学特性の観点から定量評価する。得られた結果を系統し、その変形状態の効果を示す。
|
Causes of Carryover |
当初計画よりも力学試験に用いる治具の作製に要する費用が抑えられたため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は、次年度分研究費と合わせて、試験片の作製に係る費用として使用する。
|