2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of alkali halide transparent ceramic phosphors for two-dimensional radiation detectors
Project/Area Number |
22K20489
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
木村 大海 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究員 (10964190)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 透明セラミックス / イメージングプレート / 光刺激蛍光 / アルカリハライド / 放射線計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は二次元X線検出器の一種であるイメージングプレート(IPs)を高性能化することにより新たな応用先を開拓すべく、フェーディングが0.1%/hr 以下かつ検出感度が市販材と同程度の0.01 mGy以上のIPs用蓄積型蛍光材料の開発することである。この目標を達成するため、材料形態として大面積化かつ高感度化が可能な透明セラミックスに着目した。本年度は放電プラズマ焼結装置を用いて、昇温および降温速度、焼結時間、加圧力、雰囲気等を最適化することにより、LiBr、NaBr、KBr、RbBr、CsBr等の透明セラミックスの開発に成功した。さらに、得られた透明セラミックスに対して系統的に光学および蓄積型蛍光特性を評価した。そのなかでも1%のEuを添加したKBr透明セラミックスは、検出下限が0.1 mGyであり、市販品と同程度のフェーディング特性を示した。また次年度の複合アニオン化を見据えて、予備実験としていくつかのアルカリクロライド透明セラミックスの合成条件の最適化を行った。次年度では本年度にて得られた焼結条件を基に、複合アニオン透光性セラミックスを開発し、フェーディング特性等に対してアニオン比を最適化することで、研究目的の達成を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度はアルカリブロマイド透明セラミックスの合成条件を確立し、光学および蓄積型蛍光特性を系統的に評価することにより、材料のポテンシャルを見極めることを目標としていた。放電プラズマ焼結装置を用いることでアルカリブロマイド等の透明セラミックスの合成に成功した。またEuを添加した際の光学および蓄積型蛍光特性を系統的に評価した。以上の結果から当初の予定をおおむね達成した状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、アルカリブロマイド透明セラミックスにおけるX線照射後のフェーディング特性の改善を試みる。具体的には、異なる発光中心を添加することや塩・臭・ヨウ素を添加することによる複合アニオン化に伴うバンドギャップエンジニアリングや異種元素の微量添加により、捕獲準位の深さや量を制御する。発光中心や異種元素の濃度やアニオン比等を最適化することで、当初の目標である高感度かつフェーディングが少ないIPsの開発を目指す。
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Causes of Carryover |
半導体不足の影響により、納期が遅く今年度中に発注できなかったため、次年度使用額が0より大きくなった。 次年度、当初購入予定であったものを調達する。
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