2022 Fiscal Year Research-status Report
Study of Pressure Sensor Containing Thermally Expandable Polymer for Measurement of Plantar Pressure in Obese and Diabetic Patients
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22K20500
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
多川 友作 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (20962517)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 圧力センサ / 熱膨張ポリマー / フレキシブルセンサ / ウェアラブルデバイス / 生体計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、エラストマー前駆体に熱膨張ポリマーという熱可塑性かつ形状記憶可能な材料を混合し、単純な溶液プロセスで高感度な圧力センサを作製する。従来の空隙構造を有する圧力センサとは異なり、ポリマー膜を有する熱膨張ポリマーであるため、高荷重下でも耐得うる応答性を有する。そのため、広い荷重にわたって高い感度を有し、荷重に対して線形に感度指標である容量が変化する。これらの応答によって、人間の荷重がすべて印加される靴底においても高荷重で感度飽和せず、感度校正や追加のブリッジ回路なしでも0.1 kg程度の体重変化も計測可能となる研究が期待されている。 初年度は、熱膨張ポリマーの含有量及び熱膨張温度を精緻に検討し、熱膨張の度合いによる感度の最大化を行い、学会発表を行った。また、応力ひずみ測定を行い熱膨張ポリマーを含有するエラストマーの機械特性を評価し、高荷重下での感度起源について調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
作製された圧力センサの測定系の立ち上げ及びセンサ構造の最適化を進め、薄膜圧力センサの評価が可能な系が完成した。作製したデバイスは、先行研究と比較して広い圧力範囲でも線形な容量変化特性を示し、高荷重でも感度が飽和しない結果を得た。これらの結果を基に学会発表を行うことができた。また、高荷重下でも感度が飽和せず線形応答する起源について、圧縮応力ひずみ特性を調査した。その結果、繰り返し高荷重を掃引してもある荷重においてヤング率が低下し、それに伴う感度飽和が抑制されたのではないかという考察を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
圧力センサの基礎特性を評価したため、実応用に向けたアプリケーションの検討を行う。具体的には、靴底に設置しても体重の変化を感度飽和なく計測できるかを検討するために、全荷重を計測できるようなシステムとして大面積なフレキシブル圧力センサを作製し、微小な体重変化でも十分センシングできるような系を作製する。また、10cm角程度のサイズまで大面積化し、パッシブな系でマルチチャネルセンシングができることも示す。
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Causes of Carryover |
購入予定だった備品費用を当該助成金から捻出する必要がなくなり、その分がプラスとなった。さらに、研究申請当初から採択、助成金支給開始までにデバイスの作製回数を大幅に増やすことができ、予定よりも早く学会発表を行うことができたため、学会費用等も勘案する必要がなくなった。次年度は、予定通り基礎的な物理特性を評価したセンサを用いて実応用のためのシステム(センサ測定データのADコンバータやデータ送信用モジュール、マルチチャネル計測のためのマルチプレクサなど)に加えて論文投稿費用、国際学会への参加費用等に充てたい。
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