2022 Fiscal Year Research-status Report
コストダウンと高機能化により費用対効果を向上させた新規培養真皮の開発
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22K20504
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
羽賀 健太 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (60962777)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 人工真皮 / 口腔粘膜線維芽細胞 / 機械的伸展刺激 / プライミング |
Outline of Annual Research Achievements |
皮膚線維芽細胞組み込み型の人工真皮はすでに製品化され市販されている。一方、その効果は思うように上がっていないのが現状である。一方、口腔粘膜由来の線維芽細胞組み込み型の人工真皮は現在までに製品化に至ったものはない。 申請者は、一般に傷の治りが皮膚より早く、良好と言われている口腔粘膜由来の線維芽細胞を用いた人工真皮の開発を目指す。 かつ、移植前の製品に対して、機械的刺激を加え(伸展刺激)ることで、人工真皮としての機能性が亢進するという仮説を立て、本実験では、➀皮膚線維芽細胞と口腔粘膜線維芽細胞で構成される人工真皮、②口腔粘膜線維芽細胞で構成される人工真皮において、伸展刺激を加えたものとそうでない製品の遺伝子発現を検索することで、将来的に製品化ができた際の、それぞれの人工真皮の機能的特徴を類推するために本実験を計画した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
I型コラーゲンゲルに口腔粘膜線維芽細胞を組み込んだ”人工真皮”の作製は容易であったが、最終目標である、伸展刺激による人工真皮プライミングのプロトコールを確立するためには、使用する市販のチャンバーの条件設定を確立する必要があるが、そのパラメータの選定に 想定外の時間を要してしまった。 現在までに検討したパラメータは、チャンバー内に作製する人工真皮に播種する細胞数、 人工真皮と培地の容積の比に留まった。一方、培養日数が10日に及んでも、静的な状態であれば、人工真皮が突起のあるチャンバーから剥がれることなく、実験に供することが可能であることは確認でき、mRNAを採取できることも確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
”人工真皮”自体を作製するプロトコールにおいて、検討しなければならないパラメーターは ほぼ絞り込めたので、次年度は実際に伸展刺激を加える予定である。 どのような伸展刺激(総日数や刺激の周期と強度)を加えるかについても設定する必要があるので、試行錯誤を繰り返して、幾つかの伸展刺激を与えた人工真皮の遺伝子発現パターンを解析する。 また、伸展刺激の他に、静的な刺激を加えた群も実験に加え、遺伝子発現パターン解析を行う。
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Causes of Carryover |
今年度実施できなかった遺伝子発現パターンを解析に関して、次年度に実施するための予算として。
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