2023 Fiscal Year Annual Research Report
バイオフィルム形成を抑制する疲労による金属表面の創生
Project/Area Number |
22K20505
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
岩崎 真実 富山大学, 学術研究部工学系, 助教 (00965973)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 医療材料金属 / 撥水性 / 抗菌性 |
Outline of Annual Research Achievements |
純チタンにおいて,短冊形試験片での引張疲労試験にて創生したマイクロテクスチャーに対して,次の確認を行った.①表面粗さ,②撥水性試験(接触角測定),③抗菌性試験,④生物付着性試験の4項目である.試験片の種類は,引張試験無し,ストローク5 mm, 7.5 mm, 10 mmの4種類とした(以降,それぞれの試験片を無し,5 mm, 7.5 mm, 10 mmと呼ぶ.). 撥水性試験には純水を用いた.抗菌性試験には大腸菌を,生物付着性試験には骨芽前駆細胞MC3T3-E1を使用し,播種24時間後に評価を行った. ①無し,5 mm, 7.5 mm, 10 mmの順に表面粗さが増大した. ②無し,5 mm, 7.5 mm, 10 mmの順に接触角が増大し,撥水性が向上した. ③無しに対して,マイクロテクスチャーを創生した試験片において,抗菌性の確認ができた.しかし,表面粗さの増大と抗菌性の増大は必ずしも一致しなかった. ④無しおよび5 mmと比べて,7.5 mmおよび10 mmにおいては,細胞生着率の著しい低下が見られた.表面粗さが大きいほど,細胞生着率が低下することが確認できた.チタン合金に関しては,リューダース帯(2本の直線が45度の角度でクロス)と呼ばれる引張疲労試験に特徴的なマイクロテクスチャーの確認ができている.マイクロテクスチャー出現箇所の表面粗さは増大し,細胞生着率の低下が確認できた.マイクロテクスチャー出現箇所は,限られた狭い面積であることから,撥水性試験および抗菌性試験の正しい評価は困難であった.
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