2023 Fiscal Year Annual Research Report
可逆的な結合を利用した新規不斉テンプレート重合法の開発
Project/Area Number |
22K20540
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
下山 大輔 東京都立大学, 理学研究科, 助教 (00965866)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | チタン触媒 / 官能基変換 / 精密合成 / 高分子機能材料 / オレフィン重合 |
Outline of Annual Research Achievements |
高分子触媒から高分子を生成する不斉テンプレート重合法を開発するためには,高い立体規則性をもち,側鎖に官能基をもつ,基盤となるらせんポリマーの精密合成が求められる。今回,配位重合によるオレフィン系ポリマーの精密合成,それに続く温和な条件による重合後官能基変換(post-modification)を利用することで,基盤となる高い立体規則性をもった新規官能基化ポリマーの合成を試みた。また同様の配位重合によって合成されるエチレン共重合体の官能基化についても行った。我々の研究室が開発した非架橋型のハーフチタノセン錯体触媒を用いてケイ素を有する立体規則性ポリマーを合成し,温和な条件におけるpost-modificationによりハロゲン含有ポリマーの精密合成に成功した。この官能基変換は,NMRスペクトル測定およびDSC測定によって定量的反応であることを確認した。また反応前後でGPC測定を行ったところ,大幅な分子量の減少がなく分子量分布が変化しないことから,本重合後官能基変換は分解や架橋反応等の副反応が起こらないことがわかった。さらにこのハロゲン含有ポリマーは,さらなる鈴木カップリング等の定量的なクロスカップリング反応による官能基変換が可能であり,ポリマーの熱物性,機械的特性を調整できることがわかった。本研究結果から,様々な官能基をもつオレフィン系ポリマーの精密合成において本合成手法が有効であることを見出した。
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