2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22K20575
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
小島 新二郎 国立感染症研究所, 治療薬・ワクチン開発研究センター, 研究員 (60967793)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | バクテリオファージ / ファージ合成 / 遺伝子欠損ファージライブラリ / 薬剤耐性菌 / ファージ療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題の最終年度では、殺菌力を高めたファージを作製するために、ファージ合成技術を応用した遺伝子欠損ファージの作製を行った。本方法は、ファージのゲノムを抽出し、目的とする欠損させたいファージ遺伝子以外の領域をPCRし、複数のPCR断片をアセンブリ後、大腸菌に形質転換する。一連の過程により、形質転換された大腸菌から目的の領域の遺伝子が欠損したファージが起動し、遺伝子欠損ファージを得ることができる。本方法を用いて、1種類のファージの全遺伝子欠損ファージライブラリを作製した。その結果、欠損してもファージの存続に必須ではないと考えられる遺伝子が、105種類のコードされている遺伝子のうち、70種類程度あることが明らかとなった。この70種類の遺伝子欠損ファージのうち、2種類の遺伝子を欠損させたファージにおいて、親株のファージと比較して殺菌力が強くなる現象が見出せた。さらに詳細な解析を行った結果、欠損させた遺伝子が細菌由来のファージ感染を防御する免疫機構を活性化させる因子であることが明らかになった。従って本研究より、細菌由来免疫機構に捕捉される因子を発現させるファージ遺伝子を欠損させることで、ファージの殺菌力を高めることが可能になることが明らかとなった。本研究のコンセプトを用いることで、これまで細菌由来免疫機構に阻まれて殺菌力を発揮することができなかったファージの殺菌力を向上させ、薬剤耐性菌治療に活かせることが期待される。
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[Presentation] 合成ファージによる高感度・高特異的な大腸菌O157:H7検出方法の開発2023
Author(s)
田村あずみ, Aa Haeruman Azam, 中村暢宏, 李 謙一, 近藤恒平, 小島新二郎, 千原康太郎, 山下和可奈, 崔 龍洙, 伊豫田 淳, 明田幸宏, 渡士幸一, 高橋宜聖, 四柳 宏, 氣駕恒太朗
Organizer
日本ファージセラピー研究会 第3回 研究集会
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