2022 Fiscal Year Research-status Report
電気泳動堆積現象を用いた省エネルギーかつ高速なバイオナノファイバー濃縮技術の開発
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22K20592
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
春日 貴章 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (40915584)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | セルロースナノファイバー / 電気泳動堆積 / 配向制御 / 高分子フィルム |
Outline of Annual Research Achievements |
セルロースナノファイバーは高機能かつ持続可能なナノ繊維だが、製造工程の関係上、水を多量に含んだ水分散液の状態を出発原料として利用する必要がある。加えてセルロースナノファイバーは水との親和性が高いため脱水に多大なエネルギー及び時間が必要であり、フィルムや乾燥体、樹脂複合材製造に向けた脱水工程の効率化が求められている。本研究ではセルロースナノファイバーの電気泳動堆積現象に着目した新規脱水技術の開発に取り組む。2022年度は、セルロースナノファイバーの電気泳動堆積における重要パラメータの特定を行った。まず、セルロースナノファイバーの電気泳動堆積現象のメカニズム解明に適した専用セルの設計、開発を行った。開発したセルは炭素電極を使用することで陽極金属の溶出による影響を排除し、電極間距離の変更が可能な設計とした。開発したセルを用いて、電極間の印加電圧と陽極上への堆積速度の関係を確認した。その結果、電極間の印加電圧と陽極上で得られるセルロースナノファイバーハイドロゲルの濃度には正の相関がみられた。但し、高電圧で電極上にセルロースナノファイバーを堆積させた際、陽極上に堆積したセルロースナノファイバーはプロトン化しており、陽極近傍の水の電気分解による酸性化の影響が確認された。また、電圧印加時間と堆積後のナノファイバーハイドロゲルの濃度に関しては、時間の延長に伴い、濃度が継続して増加していく傾向が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規セルの設計、作製も順調に進行し、既に複数個のセルを用いた実験体制が整っている。電気泳動堆積による濃縮と傾向把握も進んでおり、概ね当初の研究実施計画の通りに研究が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は電極間距離の影響や堆積したセルロースナノファイバーハイドロゲルの詳細な化学的、構造的解析を進める。現時点で判明している課題として、特に高電圧を用いた場合、陽極における水の電気分解による酸素気泡の発生によってナノファイバーハイドロゲルが気泡を多量に含んでしまう傾向が判明している。濃縮においては問題ないものの、フィルム作製等の応用に向けては対策が必要なため気泡抑制アプローチも検討する。
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Research Products
(4 results)