2022 Fiscal Year Research-status Report
Measurement of the mycorrhizal hyphal turnover through soil imaging: Resolving the image analysis bottleneck with AI
Project/Area Number |
22K20595
|
Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
|
Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
|
Keywords | 森林炭素循環 / 土壌微生物 / 菌根菌 / 菌糸生産・分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
森林土壌における菌根菌の根外菌糸(以下「菌根菌糸」という)のターンオーバーを人工知能(AI)を活用した自動画像分析により解明するため、高解像度の撮影装置とそれにより得られた画像の前処理手法の開発を進めた。 具体的には、顕微鏡カメラを、ステップモーターや3Dプリンターで自作したパーツと組み合わせ、土壌断面を走査して細い菌糸でも識別できる4万dpiの撮影装置を作成した。そして、小型コンピュータを用いて撮影装置の操作を自動化した。顕微鏡カメラの被写界深度が小さく、焦点の手動調整が困難であったため、土壌断面とカメラの間の距離を自動調整できるように撮影装置を改良した。顕微鏡カメラを走査して得られた小画像(撮影面積0.85×0.64 mm)を自動的に接合し、接合部分の色などを自動調整して土壌断面全体の集成画像を作成する画像処理プログラムを作成した。撮影装置を土壌内に設置した観測用窓の前で作動させ、土壌断面の高解像度画像の取得に成功した。また、環境要因を観測するため、気温と地温、日射量、土壌水分のセンサーを設置した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細い菌糸でも識別できる高解像度画像を撮れる撮影機器とAI画像分析の正確性を向上させるための画像編集プログラムを完成させることにより、AI画像分析による菌根菌糸ターンオーバーの観測をフィールドにおいて試みるための準備ができたので、研究がおおむね順調に進展していると判断し、進捗状況の区分を2とした。
|
Strategy for Future Research Activity |
AIによる自動画像分析手法を完成させ、土壌断面における菌糸長の変化を観測する。根の進入を阻止した土壌断面と阻止していない土壌断面における菌糸長の比較から、菌根菌糸長の変化を推定し、菌根菌糸ターンオーバーを推定する。また、気温と地温、日射量、土壌水分を観測し、菌根菌糸ターンオーバーの動態と環境要因の関係を分析する。さらに、土壌サンプルからDNAを抽出し、次世代シーケンサーにより分析して分類を行い、土壌における菌種の構成を明らかにする。
|
Causes of Carryover |
物価が変動する中で、物品を想定よりも廉価で購入できたため。 購入予定の物品の物価が上昇した場合などに使用する。
|