2022 Fiscal Year Research-status Report
トマト果実生長速度を活用した催色期と果実生長曲線の高精度推定
Project/Area Number |
22K20607
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
高橋 正明 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業ロボティクス研究センター, 主任研究員 (70555549)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | トマト / 果実 / 肥大 / センシング / 成長曲線 |
Outline of Annual Research Achievements |
トマト果実成熟の判断指標となる開花後有効積算温度や果実成長のパラメーターには、過去の知見を基にした数値が用いられる。しかし、果実個体間のバラつきが大きく、個々の果実に起こる現象を直接数値化し、変数として活用する必要がある。本研究では、果実画像を経時的に収集し、大量の果径データを取得する手法を確立する。そして、得られたデータから、トマト催色期の推定、果実成長曲線生成を高精度に行うことを目的としている。 本年度は、①トマト果実成長に関わる果径データの手計測による収集、および、②画像センシングにより果径データを取得する方法の検討を行った。①については、2022年8月から2023年4月に栽培したトマト3品種、各500果実(計1,500果実)を対象とし、果実の縦径、横径の情報を経時的に計測し、果実成長に関する解析に用いた。解析の結果、収穫時の縦径と横径の積と果実1果重は高い相関性を示すと共に、果重推定に活用できる肥大時期を明らかにした。②については、カメラをワイヤー上で移動するモジュールにつけて、撮影時の果径データの取得を行った。一方、経時データとして取得するためには課題があり、果実のトラッキングあるいは着果段数の識別が必要で、いくつかの手法を試行している段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
画像センシングによるトマト果実成長データ取得については、果実の着果段数の識別に課題が残っている。しかし、解決策は明らかとなっており、全体の進行に問題はない。一方で、果実成長データの解析の方は予定よりも進捗しているため、研究課題全体としてはおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も8月以降にトマトの定植を行い、翌年春まで栽培を行いながら研究を進める。定植後速やかに前年度に残った課題を解決し、データの解析を進めるように努める。最終的に、果実成長曲線の高精度推定を可能とすると共に、それを利用した栽培管理への応用へと繋げていく。
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Causes of Carryover |
消耗品が当初計画より安価に購入できたため。
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