2023 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト神経分化モデルにおける網羅的エンハンサー制御アトラスから迫る病態解明
Project/Area Number |
22K20622
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
吉原 正仁 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (70807065)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | エンハンサー / プロモーター / 転写制御 / 疾患関連SNP / 神経分化 / Hi-C |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までにヒト中脳由来神経前駆細胞株 (LUHMES)を用いて、神経分化過程におけるエンハンサー領域の網羅的同定を行っていたため、最終年度はHiCap (Capture Hi-C)法を用いた高次クロマチン構造解析による、標的遺伝子の探索を試みた。特に、Parkinson病や統合失調症などの神経・精神疾患関連遺伝子多型を含むエンハンサー領域に着目し、それらの標的候補遺伝子との相互作用を確認するため、ゲノム編集技術(CRISPR遺伝子活性化システム)を用いた検証実験を行った。その結果、これらのエンハンサー領域を活性化することで標的候補遺伝子の発現が上昇し、相互作用の証明に成功した。
本研究では、LUHMESの分化誘導後1日目、3日目、6日目の細胞について、Cap analysis of gene expression (CAGE)法を用いてプロモーターの活性変動の計測、Native Elongating Transcript (NET)-CAGE法を用いてエンハンサー領域の網羅的同定および活性変動の計測を行った。さらにHiCap法を用いた高次クロマチン構造解析を行うことで、ヒト神経分化段階におけるプロモーター・エンハンサーの相互作用も明らかにした。同定されたエンハンサー領域には神経・精神疾患関連遺伝子多型が高密度に濃縮しており、さらに、神経分化・発生に関与する遺伝子の発現を制御することが示唆された。本研究によって得られた知見は、これまで明らかとなっていなかった神経・精神疾患の病態解明や治療開発の基盤となることが期待される。
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[Journal Article] Comprehensive characterization of the embryonic factor LEUTX2023
Author(s)
Gawriyski L, Jouhilahti EM, Yoshihara M, Fei L, Weltner J, Airenne TT, Trokovic R, Bhagat S, Tervaniemi MH, Murakawa Y, Salokas K, Liu X, Miettinen S, Burglin TR, Sahu B, Otonkoski T, Johnson MS, Katayama S, Varjosalo M, Kere J.
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Journal Title
iScience
Volume: 26
Pages: 106172~106172
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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