2023 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病モデルマウスを用いたO型糖鎖によるタウ病変の制御機構の解明
Project/Area Number |
22K20653
|
Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
飯島 順子 福島県立医科大学, 保健科学部, 講師 (10559636)
|
Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
|
Keywords | O型糖鎖 / タウ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではAD病態の発症機構を、タウを修飾するO型糖鎖に着目しその機能の解明を目指す。O型糖鎖はタンパク質のセリンやスレオニンにN-アセチルグルコサミンなどが結合する。その結合部位がリン酸化と同様なため、O型糖鎖はリン酸化の調節に関与すると考えられる。タウでもO型糖鎖修飾によりリン酸化が抑制されること、近年さらに O-GlcNAc付加酵素を欠損すると神経変性が観察されることが報告された。そこで、O型糖鎖はタウの凝集に伴う神経原繊維変化を制御しAD発症の鍵となる可能性がある。しかしながらO型糖鎖修飾とリン酸化のスイッチの制御は不明であり、今後明らかにすべき課題である。 そこで本研究では、ADモデルマウスを用いたタウのO型糖鎖修飾の解析を行ってきた。Wtau-TgマウスではFLAGタグが結合したタウを発現しており、発現量が高く生化学的解析に適している。Aβ病変に伴うタウのO型糖鎖修飾の機能を解析するために特異的な抗体が必要となる。そこで対FLAG抗体を用いて両マウスよりタウを精製することで、マススペクトル(MS)解析によりタウのO型糖鎖修飾を同定、O型糖鎖修飾されたタウペプチドをエピトープとしO型糖鎖修飾タウに対する抗体の作製した。作製したO型糖鎖修飾タウに対する抗体を用い、モデルマウス脳よりO型糖鎖修飾タウを精製したが、抗体のコンタミネーションや解析に十分な量なタウタンパク質が精製できず、現在、精製抗体を磁気ビーズに架橋し、より精製度が高く充分量を精製するために条件検討中である。また、若齢時と高齢時の経時的な変化を検討するため、モデルマウスを増やし、経時的な脳サンプルを作製している。ウエスタンブロットによるバンドシフトを確認するとともに、マススペクトル解析によりタリン酸化部位の同定とともにMSによりO型糖鎖構造を解析することで、タウを修飾する新規O型糖鎖の同定を目指す。
|
-
[Journal Article] O-GalNAc glycosylation determines intracellular trafficking of APP and Aβ production2023
Author(s)
Yuriko Tachida, Junko Iijima, Kazuto Takahashi, Hideaki Suzuki , Yasuhiko Kizuka, Yoshiki Yamaguchi, Katsunori Tanaka, Miyako Nakano, Daisuke Takakura , Nana Kawasaki, Yuko Saito , Hiroshi Manya, Tamao Endo, Shinobu Kitazume
-
Journal Title
J Biol Chem .
Volume: 299
Pages: 104905
DOI