2023 Fiscal Year Annual Research Report
気管幹細胞におけるミトコンドリアダイナミクスの役割の解明
Project/Area Number |
22K20654
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
野口 雅史 和歌山県立医科大学, 薬学部, 助教 (50714870)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / シグナル / 呼吸器 / 幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ミトコンドリア形態形成因子OPA1下流のシグナル経路がどのように呼吸器における気管幹細胞の振る舞いを制御するか、核心となる分子機構を解明することを目的とし、研究を実施した。当本年度は研究実施計画に記載のように、昨年度までにイタリア Padova大学から移設したBSCs特異的OPA1欠損マウスの繁殖を行った。特に、どうマウスのCre-ERT2システムがBSCs特異的に機能することをmito-YFPの蛍光を指標に検証することができた。また、tsBSCs細胞株について、現所属における培養系を確立した。同細胞を用いて、OPA1阻害によるエピジェネティクスの変化を捉えることに成功した。さらに、BSCsおよび分化後の線毛細胞とミトコンドリアとの位置的相関関係を観察することを目的として3D array tomographyを行った(ABiSを介した久留米大学医学部の太田教授との共同研究)結果、線毛形成構造とミトコンドリアとの位置的相関を見出し、さらなる詳細観察を行なっている。本研究内容について、国内で開催された国際学会 (Redox Week in Sendai 2022)にて発表した。 また、ミトコンドリア内膜因子が呼吸器遠位の肺胞領域の形成に重要であることを遺伝子欠損マウス解析により新たに発見した。加えて、上記の呼吸器とミトコンドリア関連の知見を複数の国内学会において発表した。特に、生体機能と創薬シンポジウム2023において発表し、優秀発表賞を受賞した。さらに、当該期間中に肺腺がんのEGFR阻害剤耐性にOPA1が関与することを示した論文を投稿(Cell Death & Disease, 2023 4月に受理)し、OPA1の呼吸器上皮における重要性を示すことができた。さらに、
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