2022 Fiscal Year Research-status Report
細胞間隙の分子動態可視化による神経活動抑制の脳内伝播メカニズム解明
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22K20659
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
三田 真理恵 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (20964878)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 蛍光タンパク質 / ライブイメージング / 蛍光タンパク質センサー / プローブ / 脳 / 神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、蛍光タンパク質センサーを用いたライブイメージングにより、細胞間隙に存在する分子の動態解析を達成することである。本年度は、その技術基盤の確立を目指し、研究計画に従って以下の二項目を遂行した。
1) 蛍光タンパク質センサーを細胞膜外葉上に提示させる手法について検討した。pDisplayベクターやその改変ベクターを用い、HEK293細胞に蛍光タンパク質センサー遺伝子を導入し、発現を試みた。蛍光タンパク質単独および一部の蛍光タンパク質センサーでは細胞膜上での発現が確認できた一方で、細胞内での凝集体形成や、蛍光が確認できないセンサーがあることが明らかとなった。
2)細胞膜上に提示された蛍光タンパク質センサーの、リガンド結合特異的な輝度変化を検討した。細胞膜上に提示できたセンサーのうち、細胞外へのリガンド投与に応じた輝度変化を示すものを数種類確認した。一方で、細胞外へのリガンド投与に応じた輝度変化を示さないセンサーがあることも明らかとなった。センサーのもつ性質が細胞外環境に適さないことや、付加配列がセンサーの立体構造変化に影響したためと推測している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の結果から、蛍光タンパク質センサーの種類ごとに、細胞膜上に提示させるための付加配列が異なることが分かった。また、細胞膜上に提示できても、機能しなくなってしまうセンサーも存在することが分かった。そのため現在は、代替案として記載していた、別の付加配列によるセンサー提示などを試みている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も引き続き、それぞれの蛍光タンパク質センサーを細胞膜上に提示する手法、および、動態観察が可能となるセンサー性質への改変を行うことで、細胞間隙に存在する分子の動態解析を試みる。項目1)で細胞膜外葉上への提示が達成できなかったセンサーについては、付加配列によるセンサー提示を試みている。項目2)についてはセンサーを細胞外環境に適応する改変を進めるとともに、別の付加配列による提示も並行して試すことで、細胞外へのリガンド投与に応じた輝度変化の検出を試みる。上記知見をまとめ学会発表を目指す。
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Causes of Carryover |
細胞膜上に提示でき、機能するセンサーが少なかったため、マウス脳スライスへの遺伝子導入のためのAAV精製キットの購入を翌年度に繰り越した。
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Research Products
(5 results)