2022 Fiscal Year Research-status Report
非ヒト霊長類を用いた短期記憶を操作する神経メカニズムの解明とその障害の病態理解
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22K20674
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
澤頭 亮 北海道大学, 医学研究院, 特任助教 (40962866)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 作業記憶 / 短期記憶 / 実行機能 / 前頭連合野 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、短期記憶の消去に関連する神経活動を電気生理学的手法を用いて、単一ニューロンレベルで明らかにすることを目的としている。具体的には、従来知られている記憶の保持や視覚応答の活動を示すニューロン(スレ ーブシステム)と比較し、記憶の消去に関するニューロン(中央実行系)が前頭連合野にどのような形で存在するのかを明らかにする。それらの特性を持った細胞が前頭連合野において特異的な局在を持つのか、錐体細胞と介在ニューロンのどちらのタイプが多いのか等を検討する。さらに、それらの神経活動と実際の行動との因果性を調べるために、電気刺激実験や薬剤局所投与による不活化実験を組み合わせて行う。また、それら単一ニューロンの神経活動の成因を調べるために、多点電極を用いた集合電位の記録・解析を通して、他領域からの入力信号の詳細な解析も行う。(以下、①から③にまとめる) ① 単一チャネル金属微小電極を用いて、前頭連合野の45野、8野、46野から網羅的に記録し、局在を調べる ② 多チャネル金属微小電極を用いて、集合電位の記録・解析を行い、前頭連合野への入力信号を調べる ③ 電気刺激実験や薬剤による不活化実験を行い、神経活動と行動との因果関係を調べる 令和4年度は、①の記録実験と並行して、③の電気刺激実験を行い、神経活動と行動との因果関係を調べる実験を精力的に進めた。その結果、前頭連合野の一部の領域を刺激すると、動物の行動を操作できることを発見した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
多チャンネル電極を使用した集合電位の記録実験の進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
多チャンネル電極を使用した集合電位の記録実験を精力的に進める。 また、単一ニューロンのデータと電気刺激実験のデータを合わせて、論文化する。
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Causes of Carryover |
当初今年度中に購入予定であった多チャネル電極を次年度に調達することとなったため。
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